今朝8時20分ごろ車で走っていると携帯が鳴った。

「ん?伏見警察署?」

そう、京都と滋賀と大阪の全ての警察署の番号は携帯に登録してあるので、伏見警察署からだとわかったのだ。

「はい、アンドウですが・・・」
「こちらは伏見警察深草交番です。○○くんのお父さんですね?」

げ、げげげげ・・・
私の三男の名前だ。
事故か?事件か?
かなんなぁ、次男が入院したところやのに、今度は三男かいな。
今日は朝から夕方まで予定がびっしりで、隙間なんてないぞ。
えらいこっちゃで。
どないしよう。

0.01秒の間にこれぐらい考えが頭をよぎった。
なぜ人はこういう時、悪いことを連想するんでしょうね。
冷や汗がわきの下からタラリと伝ったのがわかった。

「はい、そうですが、息子が何か?事故ですか?」
「いやいや、そうではないんです。今息子さんが交番に来てくれていて、落し物を届けてくれたので、高校生ですからこうしてお父さんに電話してるんです。」

よかったぁ!マジ、ビックリしたでぇ。
また事故かと思ったし。
心臓が縮んだわ。

要約すると、息子が先日学校の帰り道、財布を拾ったらしい。
現金1万6千円強と学生証(龍谷大学の学生だった)、定期券などなどが入っていると。

それで、いろいろ権利があるから、そのことをお父さんに伝えたい。
そして、学生証があるので、警察から大学に連絡する。すぐに持ち主が取りに来るだろうから、その際、持ち主にお父さんの電話番号を教えてよいですかと。

えらいぞ、息子よ!
よくぞ届けた。
当然と言えば当然だけど、邪魔臭いし、ポッケにないないしても誰もわからんし。

帰ってきたら褒めて、こずかい5千円ほどやろうっと。

警官も「今時若い子にしては珍しいですね」と感心してはったし。

私ならどうしただろう?
往来がある場合、そもそも拾わないだろうし、誰も見てなかったら拾ってネコババしたかもね。

そういえば、今大学3回の長男が中学生の時も、京阪の駅で届けたことがあったなぁ。
そのときは、落とし主は女子大学生で、財布(現金とか定期券とか)とGショックの腕時計だった。

あの時は勉強になった。

落とし主のご両親から電話があって、「お礼に伺いたい」と。
「あたりまえのことですから、わざわざいいですよ。
このお礼の電話だけで充分ですから」と断ったが、先方が「どうしても」と譲らない。

訊くと、その時計はお父様が娘の誕生日にプレゼントした思い出のものらしい。
そのことがとても嬉しくて、息子に対して是非お礼を言いたいということだった。

後日、お嬢さんは来られなかったが、ご両親が揃って我が家にこられて、丁寧にお礼をのべられた。

勉強になったのは、その時に、ご両親が持参されたのは「現金」や「お菓子」ではなくて「図書カード」だったこと。

息子が中学生だからと、そうされたのだろう。
この感覚が私には新鮮だしオシャレに映った。

状況に応じたセンスというやつです。
それ以来、私もいろいろな場面でオシャレに振舞おうと努力するようになった。
スカッとしてるでしょ。

あの時といい今朝といい、私の息子たちは誇らしいですね。
ま、あたりまえなんでしょうけど、親バカですわ。

マジで「トンビが鷹を産んだ」ようなもんですね。

気分がいいぜぇ~