前にも書いたかもしれないが、私は電子定款はいやだし、しない。
紙の定款での代理作成もしない。

なぜなら、いろんな思い入れのある依頼者の方々が、やっとの思いで会社を設立される。

何かの申請依頼でかなり前の定款を持ってこられることがままあるが、黄ばんでいてシミやしわもあり、年輪を感じる。
そして、そこには依頼者(発起人)の実印が押してある。

やはり、実印が押してあると「重み」がある。
それだけ大事にされていてずっと机の奥や金庫に保存されていたんだな。

電子定款や代理作成した紙の定款だと、そこに依頼者ご自身の実印がない。
事務的で機械的で冷たい感じではないか。

会社設立の依頼を先週受けたので、今日定款認証に公証役場へ行ってきた。
公証人さんと話していると、最近ではほとんどが電子定款らしい。
その理由は単純明快、4万円の収入印紙が不要だから。

ちょっとまって。私は上記の理由でその4万円分手数料を下げて、あくまでも紙と実印にこだわっている。

なかなか良いポリシーでしょ?
自分ではそう思っている。
何年か先、何十年か先、その定款が誰かの目に触れて、そこにはやっぱり発起人の実印が押してあって、最後のページ、公証人の認証文に認証代理人である私の名前が書いてある・・・

ロマンがあるナァ。

世間の相場が下がって、もし、定款関係の手数料が4万円になっても私はその分下げて、無料で行なうだろう。
もっとも、その後の許可申請もあるという前提だけど。

これからも、ロマンのある仕事をしてポリシーは変えないのだ~