行政書士の仕事をしていると、よく、内容証明郵便の代書の依頼を受けます。使う用途も様々で、借金の催促から、配偶者の不倫相手への手紙、契約の解除、あるいは近隣の騒音の苦情など、いろいろなご要望があります。特に最近は、ご夫婦間の問題の中で、内容証明を使うケースが増えてきているようです。
  一般的に、内容証明は普通の手紙と大きな差はありません。法的な拘束力も執行力も持ちません。ただ、日付と内容が証明されるので、証拠としての力を持たせることができます。また、内容証明が届くことは滅多にないことなので、相手にこちらが本気なのだという事を印象付ける事にも有効のようです。

 あまり書きなれていない方へのご注意としては、脅迫文にならないようにすることです。ついつい、言いたい事を書き連らねて、「同意しないと、こうするぞ!」みたいな書き方をすると、捉え方によっては脅迫と見られてしまう恐れがあります。脅迫したという証拠を残すことになりかねませんので、文体や要求には十分注意が必要です。
 また、こちらの知っていることをすべて書き連らねてしまいがちですが、あまり良いとは思えません。むしろ、相手に手の内をさらしてしまう事になります。
将来、証拠として活かせるように配慮した内容証明が良い内容証明になると思います。

 本当は、争いごとのない社会が望ましいのですが、止むを得ず相手にこちらの言い分を伝えなければならないときもあります。そういったとき、口答では感情的になりやすく、また、後で言った言わないの問題も出ることがあります。
 比較的、冷静に判断できる内容証明などの書面を上手に利用する事も、生活上の一つの知恵かもしれません。