2008年 2月の記事一覧

«Prev1Next»
08年02月27日 18時22分06秒
Posted by: sakata
 「ブラックリスト」という言葉をよく耳にします。語感からして「要注意人物」をイメージしてしまうようで、あまり感心できない言葉です。何か、悪事を働く可能性がある人を特定するような言葉で、もしそんなリストがあるとすれば、そこに載ることは避けたいものです。特に、インターネットから入ってくる「ブラックリスト者云々」といった情報はほとんどいい加減なものが多く、ともすると不安を煽ってしまうことが多いようです。

 融資やクレジットカードの信用情報でよくこの言葉が使われているようですが、実際にそういったリストが存在するわけではありません。クレジットカードやショッピングローン、キャッシングなどの支払いを一定の期間延滞したり、自己破産したりといった状態を「事故」といい、個人信用情報に「事故情報」が登録されます。この状態を「ブラックリスト」に載ったと表現するようです。

 消費者金融の総量規制の導入により、指定信用情報機関制度が創設され、今後は年収の1/3までしかキャッシングができなくなります。移行期間に債務破綻する方が増えることが懸念されますが、ある意味で、これらの改正は今後多重債務者を減少させるために必須といえるかもしれません。高金利による安易な借入れが生活困難の最大の原因ともいえます。「信用情報」の制度化により今後はいわゆる「事故情報」掲載者が増加することが予想されます。

 たしかに、今の時代はカードが使えないと、いろいろ不便を感じる面が多いかもしれません。そのため、「事故情報」載ることを極端に恐れる方も多くいます。しかし、生活破綻を招かないためには、どこかで歯止めをかけなければなりません。本当は、「ブラックリスト」という言葉ではなくもっと良い語感の言葉を使えないものかと思います。

 お金の問題は、心と深く結びついています。とかく日本ではお金の問題を「恥ずかしいこと」として捉える傾向が強いようです。「ブラックリスト」という言葉の中にもそんな風潮を感じます。
 今必要なのは、こういった問題についての正確な情報をもっと一般に啓蒙し、オープンにすることで、一人で抱え込まない仕組みを創っていくことではないかと思います。
☆「女性の生活立て直し相談室」ホームページ
☆「家庭内の問題相談室」ブログ
☆メール☆
TEL:042-548-4456:立川市錦町1-5-6-402
08年02月19日 15時36分51秒
Posted by: sakata
 日本の法律の中には、離婚後、子どもと離れて暮らす親とが会うことについて規定した条文がありません。一般的には面接交渉という言葉を使っていますが、これが法的権利であることは明記されていないようです。多くの場合、面接交渉に関する取り決めは、離婚時に夫婦で話し合うか、あるいは調停、裁判といった場で決められていきます。

 日本では、離婚時に夫婦のどちらが親権を取るかを決めます。親権をさらに財産管理権(いわゆる親権)と身上監護権(一緒に暮らす)に分ける場合もあり、子どもを育てるのは身上監護権者ということになります。ほとんどの場合は、どちらか一方は子どもと離れて暮らすことになるため、いつどうやって面会するか、また、年間何回会うことができるかなどを取り決めておかないとなかなか面会することが難しくなってしまいます。

 面接交渉を巡っては、いろいろな相談が入ってきます。「養育費を払わない相手に会わせなければいけないのか?」とか、「DVの傾向があるので会わせたくない」とか、最近は逆に「父親の自覚を持たせるために面会することを義務付けたい」といったご相談もよくあります。また、面会時の費用負担や祖父母との面会、約束違反の際の措置といった質問も増えています。

 面接交渉の取り決めなどについてのご相談の際、私たちが考えるのは子ども側の視点です。面接交渉権はたしかに離れて住む親の権利と捉えることが多いですが、同時に子どもの権利でもあります。離婚によって夫婦の関係は切れても、親子の縁を切ることはできません。
 子どもたちの心と生活をより良くしていくために、離婚したそれぞれの親がどういうスタンスで向き合うことが必要か?取り決めの際にもこんな視点を持っていただきたいと願っています。
 

☆「女性の生活立て直し相談室」ホームページ
☆「家庭内の問題相談室」ブログ
☆メール☆
TEL:042-548-4456:立川市錦町1-5-6-402
08年02月11日 12時10分02秒
Posted by: sakata
 相続の問題がここ10年で倍増したと報じられていました。私たちの実感としても、ここ2?3年でさらに急増しているようにも思います。今、相続は「争続」に変わろうとしているようです。財産がある家庭より、むしろあまりない家庭での争いが目立ちます。そしてこの現象そのものが、今、日本の中で人間関係が大きく様変わりをしている証拠とも言えるようです。

 最近のご相談で多いのが扶養や介護などと相続がからむものです。この中に見え隠れしているのが、今の時代の人間関係の希薄さです。そして、コミュニケーションの不足が事態をさらに複雑にするようです。親族の介護が必要となったり、遠隔地にいる親族が介護に非協力的、あるいはわずかな財産を老後どのように運用していくかなど相談内容は多岐に渡っています。

 また、親の離婚や親との確執などがこういった問題をさらに複雑にしてしまうことも多いように感じます。日本の法律では、基本的に親子の関係を切る方法はありません。「親子の縁切る方法がないか?」といったご相談をよく受ける背景には、家族関係に関わる価値観が以前と大きく様変わりしていることが見て取れるようです。

 こういった背景の中で、最近、負担付贈与契約を結ぶ方が増えてきています。負担付贈与契約と書いて「ふたんつきぞうよけいやく」と読みます。簡単に言えば、「○○してくれたら、財産を譲るよ!」と意思表示して、相手も「判った!」と答えることです。
 口約束でも、本来は契約ということになります。ただ、口約束だけでは、もし他の人から、「そんな話は聞いていないので証拠を見せて欲しい!」といわれたときに困りますので、多くは書面にしておきます。

 人間関係のあり方が大きく変わりつつある時代の中で、何を求め、どこを変えたら良いかについて考えなければならないようです。どうしたら、もっと居心地の良い社会を築けるかということが、今の時代の大きな課題ではないかと思います。

☆「女性の生活立て直し相談室」ホームページ
☆「家庭内の問題相談室」ブログ
☆メール☆
TEL:042-548-4456:立川市錦町1-5-6-402
08年02月04日 11時17分29秒
Posted by: sakata
 先日、家族間の契約についてこのブログに書き入れました。家族関係の希薄化や価値観の多様化により、今、家族内での問題が日常頻繁に起きていることを感じます。問題が起きたとき、あるいは事前に約束事を契約といった形にしておくことで、ある意味で、冷静に対応できる用意をしておくことが求められる時代になったのかもしれません。

 夫婦間でも、よくこういった契約の形をとる場合があります。しかし、民法754条には、「夫婦間の契約は、婚姻中、何時でも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる」といった条文が記載されています。この条文を削除すべきといった意見もあるようですが、現行法ではこの条文があるために、夫婦間の契約は無意味ということになるかもしれません。

 例えばお互いに、「浮気したら、1000万円慰謝料を払います。」といった契約をしても、どちらかがこれを取り消す意思表示をすれば、その時点でこの契約は無効になります。
 そうなると、もし、どちらかが浮気をしてしまい、その時点でこの契約を取り消せばこれに基づく慰謝料は払う必要がなくなることになります。せっかく、こういった契約をしてもこのように効力がないのであれば、無意味と思われるかもしれません。

 しかし、判例ではこういった場合、浮気した側が契約を取り消すことができないとされているようです。夫婦関係が良好であることを前提に、この条文はあるのであって、破綻している場合はそれを認めないこともあるようです。
 浮気をしたからといって、即、破綻とみなされるかどうかはわかりませんが、この場合は契約は生かすことができるようです。また、すでに破綻している状況の中での契約も取り消せないといった判例もあるようです。

 夫婦が仰々しく契約を結ぶことが良いかどうかについては賛否両論があることと思います。
でも、夫婦間でもこのように契約する余地があることは知っておくと良いかもしれませんね。

☆「女性の生活立て直し相談室」ホームページ
☆「家庭内の問題相談室」ブログ
☆メール☆
TEL:042-548-4456:立川市錦町1-5-6-402
«Prev1Next»