相続の問題がここ10年で倍増したと報じられていました。私たちの実感としても、ここ2?3年でさらに急増しているようにも思います。今、相続は「争続」に変わろうとしているようです。財産がある家庭より、むしろあまりない家庭での争いが目立ちます。そしてこの現象そのものが、今、日本の中で人間関係が大きく様変わりをしている証拠とも言えるようです。

 最近のご相談で多いのが扶養や介護などと相続がからむものです。この中に見え隠れしているのが、今の時代の人間関係の希薄さです。そして、コミュニケーションの不足が事態をさらに複雑にするようです。親族の介護が必要となったり、遠隔地にいる親族が介護に非協力的、あるいはわずかな財産を老後どのように運用していくかなど相談内容は多岐に渡っています。

 また、親の離婚や親との確執などがこういった問題をさらに複雑にしてしまうことも多いように感じます。日本の法律では、基本的に親子の関係を切る方法はありません。「親子の縁切る方法がないか?」といったご相談をよく受ける背景には、家族関係に関わる価値観が以前と大きく様変わりしていることが見て取れるようです。

 こういった背景の中で、最近、負担付贈与契約を結ぶ方が増えてきています。負担付贈与契約と書いて「ふたんつきぞうよけいやく」と読みます。簡単に言えば、「○○してくれたら、財産を譲るよ!」と意思表示して、相手も「判った!」と答えることです。
 口約束でも、本来は契約ということになります。ただ、口約束だけでは、もし他の人から、「そんな話は聞いていないので証拠を見せて欲しい!」といわれたときに困りますので、多くは書面にしておきます。

 人間関係のあり方が大きく変わりつつある時代の中で、何を求め、どこを変えたら良いかについて考えなければならないようです。どうしたら、もっと居心地の良い社会を築けるかということが、今の時代の大きな課題ではないかと思います。

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