先日の新聞で、平成21年年末に予定されていた貸金業法の改正の中で、総量規制の部分を今年12月に前倒しすることが報じられました。
 総量規制とは、利用者一人が借りられる金額を年収の3分の1以内という上限を設ける制度です。これによって、すでに融資額が上限に達している利用者は新たな消費者金融でも借入れする事ができなくなります。また、借入れをする場合は源泉徴収票などを提示して収入を証明することが必要となります。

 今までは、利用者は何社もの消費者金融からその上限まで借入れをすることが可能でした。しかし、そのことが多重債務者を急増させる原因となっていたことは否めない事実でもあります。
 この改正は今後、多重債務に陥る人を減らすという点では画期的なものです。しかし、今現在債務超過に陥っている利用者にとっては、短期間に債務額を大幅に減らす必要が生じてきます。事実上、自力では不可能なケースがほとんどのようです。東京都をはじめ自治体はこういった債務超過の人に対して、低金利の融資による救済策を計画中です。市や区によってはすでに実施されている所もあるようです。

 多重債務に陥る方の多くが、真面目で几帳面な性格を持っておられます。決していい加減なことで債務を増やしたのではなく、むしろ返済することにばかり気をとられて周りが見えなくなっていることがほとんどです。法的な支援もさることながら、心のケアにも十分配慮して相談にあたりたいところです。
 いずれにせよ、あと数ヶ月で総量規制が実施されれば、多重債務の方は新たな借入れができなくなります。そうなってから慌てて、公的融資を申し込んでも間に合いません。
今こそが解決のチャンスであることをしっかりと意識していただきたいと思います。
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