「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養する義務がある」という民法の条文があります。子どもにも親を扶養する義務があることになります。今、家族関係が複雑化する中で、この「扶養義務」に疑問を持つ方が増えているようです。その一つの要因として、親子、家族関係のあり方の変化があげられます。離婚の増加も要因の一つであるようです。親が離婚をして、片親と別々に暮らすことになっても親子関係を法律的に切ることはできません。離婚後、交流がなくても「扶養義務」は基本的に消せません。子どもにとっては、ある意味、理不尽に思えることも多いようです。

 最近は、「親子の縁を法律で切ることはできないか?」といった相談をよく受けます。「扶養義務」があるからといって、すぐに介護をするとか、経済的負担を求められるとは限りません。ただ、心情として法的に縁を絶ちたいと願っている方は相当いらっしゃるようです。このようなとき、親族間で負担付贈与契約等の契約を考えていくことができます。「負担」とは、簡単に言えば、「条件」のことです。「○○してくれたら、財産を譲るよ!」といった意思表示して、相手も「判った!」と答えれば契約が成立します。

 口約束でも、本来は契約ということになります。ただ、口約束だけでは、もし他の人から、「そんな話は聞いていないので証拠を見せて欲しい!」といわれたときに困りますので、多くは書面にしておきます。こういった契約をしたからといって、扶養義務を免れるわけではありませんが、約束をしておくことで何かの時には役に立つことも多いようです。現在の日本の法律では親子の縁を切ることは基本的に不可能であることと、こういった法律や契約があることは知っておくとよいかもしれません。

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