2007年の年金分割制度などもあり、今、世の中では、「夫婦関係がうまくいかないときは離婚も止むを得ない」という考えかたを持つ方が増えました。この傾向は、ある意味では、自由で対等な社会と、それぞれの生き方を拘束しないために必要な考え方かもしれません。だから、決して否定するものではありません。

 離婚に対する社会的価値観は、年々変化してきているようです。一世代前までであれば、離婚はどちらかと言えば夫婦の失敗であり、あまり他人に話したくないといった感覚があったようです。今でもそういう方は多いですが、以前のように恥ずかしいことといった考え方はほとんどなくなってきたようにも思えます。
 バツ一といった表現のバツは、たしかに失敗をあらわしていますが、不幸なこととかやましいことという感覚ではありません。親の離婚によって、子どもたちが学校で特別扱いを受けたり、あるいはいじめや差別的な扱いを受けることも少なくなっているようです。

 大人の世代の離婚に対する考え方は大きく変化しているようです。しかし、子どもたちも同じように両親の離婚を以前に比べ軽く受け止められるように変化したかと言うと、決してそうとは言い切れません。
 この夏に、両親の離婚を経験した概ね25歳以下の方たちからアンケートをいただきました。その中から感じたことは、子どもたちのほとんどが両親の離婚を受け容れる事ができないでいるということです。中には、いつまでも割り切れず、その心が両親に対しての恨みや蔑みにつながっているケースも見受けられました。

 子どものいる家庭での離婚については、従来以上に子どもの視点も視野の中に入れることが大切と思われます。子どもたちは、両親の離婚について、大人ほどは柔軟に対応できません。離婚の際の話し合いに、幼い子どもが加わることもほとんどありません。
 子どもたちの視点からも、冷静に離婚後のそれぞれの未来について考えていくことが、離婚を新しい人生やり直しのスタートにするために大切なことではないかと思います。特に、養育費や面接交渉といった子どもの福祉を考えた話し合いを持ち、それを書面に残すことは不可欠のようです。約束を守ることは容易なことではありません。しかし、子どもの父母という関係は一生絶つことができない以上、話し合ったことを形にしていくことを考えていただきたいと思います。
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