日本の民法では、離婚時には子どもごとに、どちらか一方の親が親権をとる単独親権制度がとられています。単独親権制度は先進国では唯一日本のみであり、この制度に対するいろいろな意見が今、論議されています。現在、日本では、毎年約16万組の親子が離婚によって離れて暮らすことになっているそうです。離婚が増加する中、子どもたちの福祉のためにもこういった問題を真剣に考える必要がありそうです。

 親権の中には、「財産管理」と「身上監護」という二つの法的な権利義務があります。一般的には、親権とは「財産管理権」を指す言葉で、未成年の子どもの後見として財産を管理するとともに子どもの法律行為を代理する権利義務です。
 子どもと一緒に暮らし、子どもを育てる権利義務は「身上監護権」と呼ばれます。場合によっては、これを切り離すこともあります。親権は父親にして、母親が育てるといった場合です。

 子どものいる離婚では、「子どもを失いたくない」といった気持ちが働きます。また、離婚する相手に対し「子どもを渡したくない」という気持ちも働きます。片方しか「身上監護権」をとれないことが、離婚時における子どもの奪い合いを激化させる原因にもなることも多いようです。
 中には、子ども自身に決めさせるケースもあるようですが、子どもが幼いうちはこれは避けるべきことではないかと思います。子どもは、本来はどちらの親とも離れたくはありません。どちらの親を選択しても、結局、子どもが将来後悔することにつながるようです。

 子どもを手放すことは親にとっては断腸の思いです。しかし、子どもは決して親の持ち物ではありません。また、子どもは親の孤独を癒やす存在でもありません。
 どちらの親が子どもを育てたらよいかは、親同士が冷静になって真剣に話し合うことが望まれます。そして、あくまでそれは子どもの立場に立った視点が必要ではないかと思います。

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