NPO法人の設立や運営についてご質問やご相談をよく受けます。 最近ごく一部のNPO法人が、社会的に健全ではない運営をしていることを耳にします。天下りの温床になっていたり、ヤミ金の集客窓口になっていたり、あるいは実際には存在しないNPO法人を騙ってあたかも慈善事業をしているようなイメージを持たせているものさえあります。
 私たち自身もNPO法人としての活動もしていますし、また、私自身の仕事の中でもNPO法人をいくつも設立したり運営や解散のお手伝いをしてきました。その中で感じるのは社会の認識とNPO法人本来の趣旨がずいぶん異なっていることです。そのことが、こういった乖離を生じる原因を作っているようにも思います。

 NPO法人とは“Nonprofit Organization"の略です。特定非営利活動法人のことをこう呼んでいます。非営利という言葉から、すべて無料奉仕をする慈善団体と思われている方も少なくないようです。福祉事業をしているNPO法人も多いですが、どこも決して無料奉仕ではありません。また、国から補助金が出ていると思う方も多いようですが、基本的にはNPO法人だからといって補助金や助成金が出るわけではありません。もちろん、そういった助成を受けている団体も多くあることは事実で、一般の法人より補助や寄付が受けやすいというメリットもあります。

 私たちが運営するNPO法人への問い合わせの際にも、こういった誤解が生じることが多くあります。サービスが有料であることを告げると怪訝そうに電話を切るかたもいます。私から見ると、むしろ、すべて無料をうたっているNPO法人の中に前述した不健全な団体が多く混ざっているような気がしてなりません。

 NPO法人は非営利といっても、あくまで法的な人格を持った法人です。運営には経費がかかり、それを活動の中で得る収入で賄っていかなければなりません。営利企業は株主が利益を享受することができますが、そのことを除いては、一般的の会社とほぼ一緒です。利益を社会に還元することで公益性の高い法人とは言えますが、その内容は福祉に限っているわけではありません。NPO法人を設立する際の相談もよく受けます。企業を運営していくという視点を持たないと存続が難しいようです。

 会社法が変わり以前と比べて株式会社の設立がかなり容易になりました。利益を追求するのであれば株式会社、公益性を追求するのであればNPO法人。このような構図がこの先にできるのかもしれません。NPO法人でサービスの提供を受けようとするかた。あるいはNPO法人で働くことを望む方。こんな情報が少しお役に立てば幸いです。
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