『残業や休日労働、深夜労働の割増賃金』の割増率は?
ブログ投稿日時:2009年10月31日土曜日 17時40分07秒
記事投稿者:行政書士・税理士 溝江 諭 KSC会計事務所 カテゴリー: General
札幌市豊平区の 行政書士・税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。
今日は割増賃金についてです。
早出や残業、休日、深夜などに労働させた場合の賃金の割増率を正しく適用していますか?
間違えて計算している場合も見受けられるようです。復習の意味を込めて、おさらいしましょう。
1 割増賃金(労働基準法第37条)
割増賃金を支払う必要がある場合は次の場合です。
① 労働基準法では、労働時間は、原則1日8時間、1週40時間までと定められています。早出や残業で法定労働時間を超えて労働させた場合を「(法定)時間外労働」といい、割増賃金の対象となります。
② 労働基準法では、休日を1週間に1回あるいは4週間を通じて4日以上与えることが定められています。この法定休日に労働させた場合を「(法定)休日労働」といい、割増賃金の対象となります。
③ 午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は深夜労働として割増賃金の対象となります。その労働が時間外労働になるかどうかとは関係がありません。
以上の場合の各割増率は次のようになっています。
1 時間外労働1時間につき、時間単価の25%以上の率
2 休日労働 1時間につき、時間単価の35%以上の率
3 深夜労働 1時間につき、時間単価の25%以上の率
また、以上の労働のうち、2種以上が重なった場合の割増率は次のとおりです。
1 時間外労働と深夜労働・・・時間単価の50%以上の率 (時間外25% + 深夜25%)
2 休日労働と深夜労働 ・・・時間単価の60%以上の率 (休日35% + 深夜25%)
3 休日労働と時間外労働・・・時間単価の35%以上の率 (休日35% + 時間外0%) ← この場合は時間外の割増は不要です。
2 36協定(労働基準法第36条)
時間外労働や休日労働をさせるには、書面により労使協定を締結し、労働者を代表する者の意見を付けて、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。これを36協定の届出といいます。
3 割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくてもよい賃金(労働基準法第37条)
次の賃金は割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくてもよいこととされています。
1 家族手当
2 通勤手当
3 別居手当
4 子女教育手当
5 住宅手当
6 臨時に支払われた賃金
7 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金です。
なお、割増賃金の基礎となる賃金に該当するか否かは、名称ではなく内容により判断しますので、例えば「家族手当」という名称であっても、家族の人数にかかわらず一律に支給されるような手当であれば算入しなければなりません。
4 割増率の今後の動向
「労働基準法の一部を改正する法律」(平成20年法律第89号)が、平成20年12月12日に公布され、平成22年4月1日から施行されます。(注1)
これによると、1か月に60時間を超える部分の時間外労働については割増率が50%以上に引上げられることになっていますが、中小企業については、当分の間、引上げは猶予されます。(施行から3年経過後に改めて検討する。)
See you next !
(注1) 「労働基準法の一部を改正する法律」のパンフレット(厚生労働省)
◎次のサイトのブログで、『民主党による税制改正』について解説しています。
今後、あなたのご家庭や会社に大きな影響をもたらす【税制】と【社会保険】。民主党の「政策集INDEX 2009」に書かれているものを税理士・社会保険労務士の立場からその内容を検証します。
1回目・・・「納税者の視点に立った税制へ」
「税制改正過程の抜本改革」
「税・社会保障共通番号の導入」
「納税者権利憲章の制定と更正期間の見直し」
「国税不服審判のあり方の見直し」
2回目・・・「所得税改革の推進」
「所得控除の整理、税額控除、手当等への切り替え」
「給与所得控除の見直し」
3回目・・・「年金課税の見直し」
「住宅ローン減税等」
4回目・・・「給付付き税額控除制度の導入」
「金融所得課税改革の推進」
5回目・・・「消費税改革の推進」
6回目・・・「法人税改革の推進」
7回目・・・「中小企業支援税制」
8回目・・・「相続税等改革の推進」
9回目・・・「国際連帯税の検討」
10回目・・・「個別間接税改革の推進 」
11回目・・・「酒税・たばこ税」
12回目・・・「自動車関係諸税の整理等」
「自動車関連諸税の整理、道路特定財源の一般財源化、
地球温暖化対策税」
「徴税の適正化」
13回目・・・「社会保険の再設計等」
「後期高齢者医療制度の廃止と医療保険の一元化」
「公平な新しい年金制度を創る」
「求職者支援など雇用のセーフティネットの拡充」
ぜひ、ご覧下さい。
http://www.ksc-kaikei.com/
その他の『ちょっとためになる情報』は、次のサイトの「お知らせ」と「ブログ」でどうぞ!!
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道内の豚インフルの罹病率は全国一とのことですが、この新インフル以外にもいろいろな風邪が流行っているようです。私もついに4日前に罹ってしまいました。症状は、喉が腫れあがり、痛みが強烈で、食べ物や飲み物がうまく飲み込めません。朝のうちは少し良いのですが、夕方から夜にかけて再び悪化し、夜中には安眠もできないほど痛みます。
今日はこれから大学院での授業。いつものように大きな声で講義をすると院生にうつしてしまいそう。それを防ぐために、小声で話そうかな?!
皆さんも気をつけて!
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TKC全国会会員
税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
Tel 011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
札幌学院大学 客員教授 学 部 で 税務会計論担当
大学院で 税務会計論演習担当
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今日は割増賃金についてです。
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間違えて計算している場合も見受けられるようです。復習の意味を込めて、おさらいしましょう。
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割増賃金を支払う必要がある場合は次の場合です。
① 労働基準法では、労働時間は、原則1日8時間、1週40時間までと定められています。早出や残業で法定労働時間を超えて労働させた場合を「(法定)時間外労働」といい、割増賃金の対象となります。
② 労働基準法では、休日を1週間に1回あるいは4週間を通じて4日以上与えることが定められています。この法定休日に労働させた場合を「(法定)休日労働」といい、割増賃金の対象となります。
③ 午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は深夜労働として割増賃金の対象となります。その労働が時間外労働になるかどうかとは関係がありません。
以上の場合の各割増率は次のようになっています。
1 時間外労働1時間につき、時間単価の25%以上の率
2 休日労働 1時間につき、時間単価の35%以上の率
3 深夜労働 1時間につき、時間単価の25%以上の率
また、以上の労働のうち、2種以上が重なった場合の割増率は次のとおりです。
1 時間外労働と深夜労働・・・時間単価の50%以上の率 (時間外25% + 深夜25%)
2 休日労働と深夜労働 ・・・時間単価の60%以上の率 (休日35% + 深夜25%)
3 休日労働と時間外労働・・・時間単価の35%以上の率 (休日35% + 時間外0%) ← この場合は時間外の割増は不要です。
2 36協定(労働基準法第36条)
時間外労働や休日労働をさせるには、書面により労使協定を締結し、労働者を代表する者の意見を付けて、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。これを36協定の届出といいます。
3 割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくてもよい賃金(労働基準法第37条)
次の賃金は割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくてもよいこととされています。
1 家族手当
2 通勤手当
3 別居手当
4 子女教育手当
5 住宅手当
6 臨時に支払われた賃金
7 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金です。
なお、割増賃金の基礎となる賃金に該当するか否かは、名称ではなく内容により判断しますので、例えば「家族手当」という名称であっても、家族の人数にかかわらず一律に支給されるような手当であれば算入しなければなりません。
4 割増率の今後の動向
「労働基準法の一部を改正する法律」(平成20年法律第89号)が、平成20年12月12日に公布され、平成22年4月1日から施行されます。(注1)
これによると、1か月に60時間を超える部分の時間外労働については割増率が50%以上に引上げられることになっていますが、中小企業については、当分の間、引上げは猶予されます。(施行から3年経過後に改めて検討する。)
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1回目・・・「納税者の視点に立った税制へ」
「税制改正過程の抜本改革」
「税・社会保障共通番号の導入」
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「所得控除の整理、税額控除、手当等への切り替え」
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3回目・・・「年金課税の見直し」
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4回目・・・「給付付き税額控除制度の導入」
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5回目・・・「消費税改革の推進」
6回目・・・「法人税改革の推進」
7回目・・・「中小企業支援税制」
8回目・・・「相続税等改革の推進」
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11回目・・・「酒税・たばこ税」
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