問 私は4年前に中国人女性と結婚しました。妻は最初は一緒に暮らしていたのですが、ここ1年半位名古屋で仕事をしていて時々しか帰ってきません。もちろん居場所も仕事先も教えてはくれるのですが、実際のところ同居しているとは言えません。今まで愛情もあり仕方がないと我慢してきたのですが最近離婚を考えています。ただ、離婚手続きがよく分からず、いつの間にか時間だけが経ってしまいました。このような場合、どうすれば離婚できるのでしょうか?

答 ご質問の内容ではまだ彼女にあなたの離婚の意志は伝えていないのですね。彼女が離婚に同意してくれるなら手続きはそれほど難しいものではありません。まず、日本では離婚届にそれぞれが署名捺印し、証人二人を立ててお住まいの特別区か市町村役場に届け出ればいいのです。
ただ、これだけでは中国での離婚が成立していないので、お二人で結婚届を提出した中国の民政局に行って離婚の許可をもらうことになります。この際、必要なのは離婚協議書(中国語)と結婚証、パスポートと中国人配偶者の場合は居民証です。

離婚協議書は中国婚姻法の要式に従って双方の離婚意志、財産分与、子の扶養等について記載されているものでなければなりません。なお、この離婚協議書は中国で作成しても日本で作成してもどちらでもかまいません。詳しい人が周囲にいなければ専門家に依頼した方がいいでしょう。なお、当事務所でも年間数通作成しています。

よく質問されるのですが、中国に行かないで離婚する方法はないかということですが、現在日本にある中国大使館や総領事館だけで中国の離婚の許可を受けることはできません。どうしても中国に行きたくなければ、配偶者の中国の住所地の中級人民法院で、あなたが原告で彼女を被告として裁判を起こすしかありません。その場合、あなたは中国で代理人を立てて裁判をしなければなりません。代理人は必ずしも専門家でなくてもしっかりした職業を持っていて多少中国の法常識を持った人であれば誰でもかまいません。

他方、彼女が離婚に同意しない場合は、まず日本の家庭裁判所で離婚調停をしてもらいます。それでも彼女が同意しない場合は、同じく家庭裁判所であなたが原告で彼女を被告として離婚裁判をしなければなりません。離婚理由は「同居義務違反」を主張すればいいでしょう。
家庭裁判所での裁判は、弁護士に依頼してもいいし、あなたがご自分で行ってもできないわけではありません。そこで離婚の判決が下りたら後の中国での離婚手続きはすでに記した手続きと同じようにします。このように日本での離婚手続きと中国での離婚手続きは別なものとお考え下さい。

なお、日本で離婚が成立し中国で成立していない状態を跛行婚(ハコウコン)と言いますが、この状態であれば彼女は一生中国では再婚できないし、仮に外国人と再婚しても配偶者としてはその国の在留資格を得ることはできません。また、あなたも二度と中国人と結婚できないことになります。

色々事情がお有りだとは思いますが、特に彼女の将来を考えると、日中両国で合法的且つ確実に離婚手続を進めて下さい。