問 私は、国際結婚斡旋業者の紹介でフィリピン女性と国際結婚しました。彼女はまだ来日していないのですが、結婚後偶然彼女が来日するのは私との結婚のためではなく、来日して日本国内のパブで働くのが目的であることを知りました。そこで、彼女に離婚するよう連絡したのですが、彼女は全く応じてくれません。もちろん、私はすでに婚姻届を区役所に提出しているので、日本での婚姻は有効に成立しています。このままでは私は将来に渡って結婚できないことになってしまいます。どのようにしたらいいのか、アドバイスを頂けないでしょうか?

答 はい、大変お困りなのはよく分かります。あなたの場合は、取りあえず、あなたの住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻の「無効」か「取消」を請求するしかありません。なお、本来の裁判籍は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。しかし、相手方が日本にいないので仕方ありません。ところで、「婚姻の無効」というのは「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」(民法第742条第1項第1号)に該当する場合です。同じく「婚姻の取消」というのは、あなたが「詐欺または強迫によって婚姻をした者」(民法第747条第1項)に該当する場合です。また、「婚姻の取消」の請求は「当事者が詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3ヶ月を経過したときは取消権が消滅する」(同条第2項)ということになっています。

さて、あなたはどちらに該当するのでしょうか?もっとも、実際の請求はどちらかに決めなければならないわけではありません。「無効が認められなければ取消」を請求することができるし、「無効または取消」を請求することもできます。いずれにしろ、訴状や証拠方法、相手の居所が不明の場合は公示送達の可能性等もあるので、一度専門家か法令に詳しい方に相談することをお奨めします。