昨日(11月22日)に日専連の主催する内橋克人さんの講演会があったので、聴きに行って来ました。

まず、会場に入って、人が多いのにびっくり。
1000人の参加応募があり、抽選で600人が参加券をもらえたとのことでした。

内橋さんと言えば、この20年くらい一貫して、市場原理至上主義、新自由主義改革を批判されてきた方です。
10年ほど前にこの国で「小泉構造改革」に多くの人が騙されてしまっていたときも、内橋さんは、小泉らの「改革」の非人間性を厳しく批判されていました。

私は内橋さんの大ファンで、内橋さんのお書きになられた、「共生の大地」「浪費なき成長」「もう一つの日本は可能だ」「共生経済が始まる」等を愛読してきました。
が、原発も含めて権力者のなすことを厳しく批判してこられた内橋さんがそれほどメジャーな方だとは思いませんでした。
ですので、あれほど多くの市民が会場を埋め、内橋さんの言葉に耳を傾けていたことに驚いたのです。

1932年のお生まれとは思えないほど、内橋さんは熱く語られました。
それは、現在のアメリカは、経済格差どころか、「人の命のリスクに格差がある」のであり、決して日本をそのような国にしてはならないという信念からのものでした。そして、その信念を形成したものは、内橋さんご自身が体験した、子どものときの戦争(というより空襲)の経験であることをお話になりました。

今、震災後の「復興」が声高に叫ばれていますが、阪神大震災後の神戸でなされた「復興」が、人の生活をそっちのけで、ハコ物や神戸空港などを作るものであったことを反省し、そうではない方向を目指さなければならないことを、内橋さんは強調されていました。

私も含め、参加者が持ち帰り、あらためて考えなければならない課題が多く提示された、そんな講演会でした。