多くの業者さんから、「建設業許可を取りたいのだけれど、うちは取れるだろうか?」と相談されることが良くあります。
 業者さんが建設業許可を取りたい理由は、以前は500万円以上の工事をしたいと言うことが主でした。

 ところが、最近では必ずしもそれだけではなく、むしろ、「許可を持っていないと仕事を発注してもらえない」とか、「発注元から許可を取ってくれと言われた」等、建設業許可を持っていることを会社の社会的評価の対象として考えられることが多くなってきたように感じます。

 そうして、多くの業者さんが当事務所にご相談に来られるのですが、残念ながらその半分以上は、許可申請をすることができていません。その理由は、必要書類が不足していることによります。

 建設業許可を取得するのに最も重要な要件の一つが、「経営業務管理責任者」の存在です。たとえば、許可を取りたい業種が内装仕上げであれば、内装仕上げについて5年以上の経営経験が必要だということです(内装仕上以外の工事7年の経験でも大丈夫です)。

 そして、問題はこの5年なり7年の経営経験を証明する確認資料が必要であることです。確認資料として、たとえばこの期間分の発注書(注文書・工事契約書等)を用意する必要があります。この確認資料を用意できない方が多いのです。

「最近の発注書はあるけれど、3年以上前のものは残っていない」となると、残念ながら許可を取得するのは取るのは難しいことになります。
 ですので、「今はまだ建設業許可を取ることは考えていない」という業者さんでも、発注書類は必ず保管しておかれるのがいいと思います。