モンスターペアレンツや理不尽な親といった話題が報じられています。実際、ご相談を受ける中でも、こういった風潮の中で親子間でもいろいろな確執が生まれやすい時代であることを感じます。
家族のあり方について、今、様々な新しい価値観が生まれているようです。それに伴って、以前であればお互いが暗黙の了解のうえで守られていたことも、あらためて確認や約束をしなければならないことが増えてきているように思います。
 夫婦、親子は、家族の中ではもっとも基本的な関係です。しかし、ここには法律的な決まりもあります。特に結婚、扶養、相続、離婚ということは、それぞれが法律上の行為であり、一つの契約と考えることもできるようです。そして、法律にはそれぞれ解釈があります。

 家族関係が良好であれば、お互いが相手の立場を尊重することで暗黙の内に約束は守られていきます。また、それぞれの解釈に違いがあってもそれは話し合うことで解消されます。
 しかし、家族関係が悪化していったとき、この解釈の違いが問題になってくることがあるようです。法律は、ある意味では、人それぞれの権利と義務を明記しています。ただ、権利はぶつかり合うことがあり、義務は誰がそれを負担するかという問題が起きてきます。
 残念ながら、家族関係を規定する民法は、現在のような価値観の多様化までは想定していなかったようです。そのため、今、法律の条文だけでは規定しきれない、様々な家族問題が頻繁に起きてきています。そして、一旦家族の間に軋轢が生じると、悪循環が始まり、それを元の鞘に収めることが容易ではなくなります。

 こういった、家族間の軋轢を未然に防ぐため、今、親子間や家族間で契約を取り交わすケースが増えてきています。家族の間で、あらたまって契約を取り交わすなど仰々しいと言われる方もいるようですが、実際に問題が起きたとき、意外な役に立つことも多いようです。
 結婚した際の結婚契約書、家事や家計費の分担契約書、介護や相続の負担付死因贈与契約書などたくさんの契約があり、実際にそういった契約に関するご相談も増えています。
 家族関係が良いことは、最大の幸せかもしれません。本来は、お互いの信頼関係の上に家族があることが望ましいと思います。しかし、今の時代、そういった良い関係を保つための一つの方法として、家族間契約という方法があることを知っておくのも良いかもしれません。

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