このところ、遅発性統合失調に関るお問い合せがたくさん入ります。私たちは、医療機関ではないので、診断をすることはできません。ですから、ご家族からご様子をうかがって、それに対してこの疾患であると断言することはしていません。ただ、以前から、この疾患が疑われる方ご本人からのご相談や、そのご家族からのご相談は数多く受けてきていました。あるいは、このままの状態を続けると、この疾患に移行する可能性があると予測される方の生活面でのお手伝いもしてきました。

 この疾患は、年齢が高い方が発症する統合失調症で、急に被害妄想が強くなったり、幻聴や幻視がおきたりすることで周囲が気付くようです。疑心暗鬼の度合いが著しくなります。
 加齢によって、脳の機能が低下することが、一つの原因ととらえられているそうです。しかし多くの場合、孤独や孤立、あるいは過去へのこだわりなどが強い人に多いため、生活環境も深く関っているようです。他人が自分を誹謗中傷していると思い込んでしまったり、常に誰かに見張られていると訴えたりします。実際に、疾患にまで移行してしまうと薬物治療が必要となりますが、多くの場合病院に行くことを強く拒否します。

 周囲が否定的であったり、あるいは、病気であることを伝えると、かえって頑なになってしまうため、まず、寄り添うことが求められます。特に、疾患に移行する前の早い時期であれば、周囲が頭ごなしに否定しないことが求められるようです。孤立していることが原因であることが多いため、それを避けるような配慮も必要と思います。人間関係、家族関係が希薄になりつつある今、この疾患が増えていくことが心配されます。

 若年性認知症や統合失調症などの精神疾患は、普通の生活を営むことができる場合が多いため、周囲から見ると、被害妄想が強い程度で疾患とは気付きません。ただ、事理を弁識する程度が低下しているため、法律的に保護するためには、保佐や成年後見を念頭に入れる必要が生じます。疑心暗鬼が強くなる反面、騙されやすい一面も生じます。もし身近な方にこういった様子の方がいらっしゃる時は、早い時期のご相談をお勧めいたします。
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