日本人は、あまり遺言を遺すことをしないようです。また、遺言を書くのは、財産がたくさんある方といった考えを持っている人も多いようです。従来の日本では、長男や婿があとを継ぐという考えが一般的で、あらためて誰に何を継がせるかということを書き遺さなくても、そう大きな問題にはならなかったのかもしれません。

 しかし、今の時代、その事情は大きく変化しているようです。少子高齢化の中で、子どもがいない家庭、兄弟が遠く離れて暮らす家庭、また親族間の関係が希薄な家庭が増えています。さらに、介護や身の回りの世話を誰が行なうかといった問題も増えているようです。
 
 そういった中で、以前のように、親が亡くなった後の相続がスムーズにいかないケースが増加しています。そして、むしろ親の財産がそれほど多くない場合のほうが、親族間の確執が大きくなることも多いようです。僅かな財産の相続を巡り、親族の関係が損なわれてしまうのは、残念なことでもあります。どうすれば、揉めない相続ができるか、悩む時代ともいえそうです。

 そんな中で、遺言が遺されていれば、諍いが起きなかったケースもまれではありません。遺された遺族にとって、遺言には絶対的な説得力があります。子どもがいなかったり、子どもたちの関係が希薄だったり、あるいは介護や世話を子どもから受けているといった場合には、たとえ財産が少なくても、遺言を書くことを視野に入れたほうが良い時代なのかもしれません。

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