3.相続税・贈与税の納税猶予制度

上記のような事業承継の阻害要因である相続税等の

軽減措置として設けられたのが納税猶予制度であり、

経営承継円滑化法のひとつの柱です。

同制度が適用された場合、発行済自社株式の2/3

に対する相続税の80%の納税が猶予されます。

もちろん、企業の規模、経営者や後継者の要件、取得

する株式数など、いくつもの条件が課されており、

必ずしもハードルが低いとは言えません。

また、あくまでも納税の「猶予」であって「免除」

ではないので、事業承継後に一定の条件を充たさな

くなったり、自社株を他に譲渡した場合には、相続時

や贈与時に遡って利子税が加算された税額を納税しな

ければなりません。さらに、当然ですが譲渡所得税

も課されます。

このように適用の要件はそれなりに厳しいものがあり

ますので、法律や税務の専門家の協力が必要となりま

すが、要件をクリアして税負担の軽減を受けられれば、

後継者へのスムーズな事業承継の途が開けるものと

言えるでしょう。