遺言で相続分や遺産分割の方法を指定をする際、

「遺留分」に気をつけないと相続発生後にトラブルに

なることがある…と前に書きました。


では、遺留分の前提になる「法定相続分」については

どのように定められているのでしょうか


民法第900条に規定があります。

 ≪相続人≫          ≪法定相続分≫

 配偶者+子          配偶者1/2 子1/2

 配偶者+直系尊属      配偶者2/3 尊属1/3

 配偶者+兄弟姉妹      配偶者3/4 兄弟姉妹1/4



ただし、上記は昭和56年1月1日以降の相続についてのみ適用され、

昭和22年5月3日から昭和55年12月31日までの相続については

以下のようになります。


 ≪相続人≫          ≪法定相続分≫

 配偶者+子          配偶者1/3 子2/3

 配偶者+直系尊属     配偶者1/2 直系尊属1/2

 配偶者+兄弟姉妹     配偶者2/3 兄弟姉妹1/3


これから起こる相続に、なぜ昭和55年以前の相続分規定が関係あるのか?

疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

二次相続」という言葉をお聞きになったことはありませんか?

例えば、昭和55年10月8日にお父さんが亡くなったとします。

そして、平成20年10月8日にお母さんが亡くなったとします。

お父さんが亡くなったときに、遺産分割や相続登記をしていなかった

場合、昭和55年に遡って遺産の分割をする必要が生じる可能性が

あるのです。

実は、意外にこのようなケースは多く、私が相談を受けたケースでは

四次相続!?まで、何も手続をしていませんでした。


ちなみに、昭和22年5月2日以前は

法定家督相続人』のみが相続人となるのが原則でしたが、

日本国憲法が昭和22年5月3日に施行されるのに伴い、

平等原則に反することになるため、適用されなくなりました。

相続分もそんなに簡単ではありませんね。