問 私の彼はアメリカ人ですが、今回観光を目的に短期滞在ビザで来日しています。私たちは、共通の留学生の友人を通じて知り合いました。知り合ってからまだ日が浅いのですが、彼の誠実な態度をみて、私たちは結婚する約束をしました。すでに、私の両親にも紹介して承諾をもらっています。ただ、彼のビザは短期滞在ビザなので、後1ヶ月半位で帰国しなければなりません。一旦帰国してまた来日するのは経費的に負担になるので、このまま日本で結婚してビザの変更をしたいのですが可能でしょうか?

答 本来は、短期滞在ビザから他の在留資格への変更は許可されません。なぜかというと、日本滞在の目的が異なるからです。ただ、例外は、客観的にみて「やむを得ない特別の事情がある」場合は許可されることがあります。この「やむを得ない特別の事情がある」場合とは、判例によると、あくまでも「入国後の新たな事情の発生」を指すようです。それ以外にも考えられないわけではありませんが・・・。

ただ、本来の法令の原則から言うと難しいのかもしれませんが、実務では、婚姻による「短期滞在ビザ」から「日本人配偶者等」への資格の変更については、あまり厳密に「やむを得ない特別の事情」を求めているわけではないようです。
実際、私も査証免除国からノービザで来日した外国人の在留資格を、「日本人の配偶者等」に変更する申請をして、短期間で許可された経験があります。このときは、すでに来日している外国人が日本国内の外国大使館に婚姻届を提出しました。特に「やむを得ない特別な事情があった」わけではありません。

なお、査証免除国だからと言って、短期滞在ビザも取得しないで、ノービザで入国すると、「日本人の配偶者等」への資格変更が認められないことがあるので注意してください。

このように、入国管理局も婚姻の場合は短期滞在ビザから「日本人の配偶者等」への資格の変更については、書類不備や偽装婚あるいは申請人の在留状況等に問題がなければ、審査の上、許可してくれることがあるようです。

但し、外国によっては日本国内にある外国大使館で婚姻手続きはできない国も多いようです。海外で結婚するためには、結婚する二人が、必ずその国で一緒に登記局に出向いて婚姻届を提出しなければならない国もあります。また、変更申請をするためには、現在の短期滞在ビザの在留期限がいつまでかということも重要です。審査に時間がかかり、在留期限に間に合わないことも考えられます。このようなわけで、外国人の方が日本滞在中に、必ず短期滞在ビザから「日本人の配偶者等」への在留資格の変更ができるとは限りません。
 
婚姻を目的に短期滞在ビザで来日する場合は、できるだけ海外の日本大使館や領事館において、短期滞在ビザを申請するとき、入国目的を「結婚するために婚約者を訪問する。」と明確に記載することをお勧めします。

こうしておくと、日本に入国後、その目的に沿って婚姻し、「日本人の配偶者等」への在留資格の変更を申請するわけですから許可される可能性が高くなると思います。

いずれにしろ、一度専門家に相談してみたらいかがでしょうか。