家庭内の問題のご相談の中で多いのが家族の借金に関するものです。
「夫がサラ金から借金をしている事がわかったのですが、妻の私に請求がくることはありますか?」こういった質問を受けることがよくあります。保証人になっていれば別ですが、基本的に配偶者の借金を、他方の配偶者が支払わなければいけないという法律はありません。
 また、子どもの借金を親が支払わなければいけないといった法律もありません。未成年の場合、親の監督責任はありますが、未成年は親の承諾なしに金銭貸借の契約を結ぶ事はできません。ただし、いずれの場合も支払ってはいけないという法律もないので、夫や子どものかわりに支払ってしまうケースもあるようです。

 以前は、支払いが滞った時、親や妻が催促を受けたという事もありました。しかし今は、違法な取立てに相当するため監視の目も光るようになり、こういった事例は減ってきているようです。ただし、前述したように夫や子どもに代わって支払ってしまうケースは多いようです。
 夫や子どもが多額の借金を作っていることに気付いた時、家族は狼狽します。利子が高い借金だと雪だるまのように膨れていく心配もあります。また、いずれ家族に請求がくるのではないかといった不安も生じます。そのため、家族は、とりあえず本人に代わって支払って、後で本人に返済させればよいと考えるのも無理のないことです。

 しかし、残念ながらこのやりかたはうまくいかないことが多いようです。日本人は、おしなべて借金をする事に嫌悪の念を抱くことが多いそうです。家族の借金を、臭い物にフタという考え方で肩代わりすると、借金をした本人には甘えの心が起きてしまいます。そのことが再発を起こす原因になることも多くあるようです。また、多くの場合、借金をした本人は全部を家族に告げず、一部を隠そうとします。貸金業者にとって、これは上客です。利子を下げ、限度額を上げて「借りてください!」といった勧誘をされてしまいます。
 借金の催促が別の家族に及ぶ事はありません。もし、家族が多額の借金をしていることに気付いたときは、まず、冷静に対処していく事が必要です。慌てる事はありません。何故、そうせざるを得なかったかを穏やかに聴く事ができるように、頭ごなしに叱るのではなく、良い会話を心がけるところから始める事が大切ではないかと思います。
借金の問題は、本人が本気になって自ら解決して、はじめて本当の解決になります!
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