トランプ政権の敗北
2期目を迎えていたトランプ政権が、民主党バイデン候補に敗退した。だが敗れたとはいえ、前回を上回る7274万票を獲得している。前回より約1千万票も多い。敗れたとはいえ、この票の数を軽視してはならない。とんでもない「アメリカ民主主義」だが。この7千万人を上回る人達は、一体何を考えているのだろうか。「アメリカファースト」、そうあるべきだと考えていることは間違いない。このトランプの中国を敵視する反中政策の行きつく先は、戦争的危機であることは間違いないであろう。こうして危機を煽っている間に危機が現実のものとなる。もっとも11月13日付の「日刊ゲンダイ」では、元外交官の孫崎享氏の「米日両国民に厳しい現実を突き付けるバイデン新大統領」という論評を掲載し、今回の大統領選挙では、アメリカのグローバリズムが問われる選挙でもあったと唱えている。孫崎氏によると、今回の大統領選挙では、3つの選択肢があった、一は「金融資本、大企業と軍産複合体中心の政策」を取るのか、二は「低所得者に配慮し、特に国民全員への医療保険などを行う政策」を取るのか、あるいはトランプなどが掲げていたアメリカファースト(国内市場を優先し、外国製品には高額関税)」を取るのか、3つの選択肢があったとし、バイデンはその第一を取ることになるだろうというのである。これはおそらく正しい指摘であるだろう。多分バイデンはこの第一を取ることになるだろう。
1月20日から始まる次期政権では、ともあれトランプ的危機あおりは回避される。これが今後吉と出るか、凶と出るかはまだわからない。とりあえずはバイデンの手腕を見守る以外なさそうである。