相続人は、自己のために相続の開始があったことを
知った時から三か月以内に相続の放棄をすることが
できます(民法第915条第1項)

放棄の手続き自体は簡単です。

戸籍謄本、除籍謄本等に、費用が800円

+通信費を添えて、申述書を家庭裁判所へ提出

するだけです(民法第938条)。


しかし、よくあるのが

「相続財産を全部配偶者に相続させるために、

子たちが全員放棄するケース」・・・。

この場合気をつけなければならないのが、

民法第939条・・・「放棄した相続人は初めから

相続人とならなかったものとみなす
」という点です。

上のケースだと、子たちは相続に関してはいない

ものとして扱われますから、相続人は配偶者だけ

ではなく、被相続人の直系尊属も含まれることに

なってしまうのです。直系尊属がいない場合、

または放棄した場合は、兄弟姉妹が相続人に

なってしまいます。

しかしこれでは、子たちが放棄した意味がありません。

そこで、上のケースのような場合は、

子たちの相続分をゼロにする内容の遺産分割協議

すればよいのです。