以前にも、大手消費者金融会社が貸出審査を厳格化していることは記事にしましたが、その流れは止まらないようです。
 消費者金融は、これまで、いわゆる高金利のグレーゾーン金利で多数の顧客に貸し出すことにより、返済できない顧客による損失を上回る利益を上げてきました。しかし、昨年末に成立した改正貸金業規制法は、平成21年末までに、個人ローンの上限金利を利息制限法並みの15~20%に引き下げるほか、借り手一人当たりの貸付総額に上限を設ける総量規制を導入しています。
 こうなると、不良債権が生じないようにしなければ、収益の悪化は避けられません。
 大手4社の今年2月の新規貸付の平均契約率は、44,5%であり、前年同期の64,3%と比べると、約20ポイント低下しており、実に2人に1人が融資を断られているのです。
 また、これまでの高金利に頼った経営戦略のツケが、今のしかかっているのです。消費者金融大手4社の今年3月期連結決算の最終赤字が、合計1兆円規模に上る見通しであることが、先月17日に判明しております。これは、利息制限法の上限を超える「過払い利息」の返還請求の増加に歯止めがかからず、引当金の一層の積み増しを、せざるを得なくなっているからなのです。
 大手各社は、店舗閉鎖や人員削減など大胆なリストラだけでなく、貸出審査の厳格化という経営方針によって、生き残りを賭けようとしています。
 その一方で、中小の消費者金融会社は、規制強化を受けて銀行やノンバンクが中小業者への融資を手控えるようになったため、廃業が続出しているのです。
 これまで大手から新規貸付を断られた人は、大手より審査が緩い中小業者に頼ってきたが、中小業者の廃業により、どこからも借りられない人は、どこから融資を受けるのであろうか。ヤミ金に走らないことを祈るのみである。
 今回はこの辺で。