一部の相続人だけで開扉の要求をすることが出来るか?
の続きです。
法的には共有にかかわる権利の保持のための行為は、一部の共有者でも可能ですが、権利を変更・処分するような行為には全員の同意が必要です。
貸金庫の開扉と中身の点検は共有物の現状を維持する保存行為ですが、中身の持ち出しは処分行為に該当します。
只、貸金庫を開けたり、中身を点検することは保存行為とはいえ、中身の持ち出しに結びつきやすいため、共有者である相続人全員の同意を求める銀行の方針を理解できないわけではありません。
一方、一部の反対者がいることを理由に全く開けることもできないとするのも妥当性を欠きます。
裁判例には、相続人一人による開扉要求を認めたものと、否定したものと両方があります。
全員の合意が得られない場合、相続人としては銀行側に開ける必要がある事情を説明し、中身を持ち出さないことを約束し、行員や公証人の立会いを条件とするなどして開扉の交渉をすると良いでしょう。
公証人は依頼があれば開けるときに立会い、その場の状況、中身の明細など目撃した事実を記録した公正証書を作成します。
これは「事実実験公正証書」と呼ばれ、他の相続人との紛争防止に有効です。

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