今回は離婚の話題です。単に性格の不一致だけでは裁判上ではなかなか離婚が認められないことが多いようです。今回のケースもいったん地裁では棄却されました。

次のようなケースです。

妻は出産後,子どもの養育に熱中していきました。夫は妻との教養ある会話を期待して結婚していたのですが,妻は子育てに夢中で,そのような会話が次第に成り立たなくなってきてしまったのです。夫はたまらず,そのことを妻に指摘しました。しかし,子どもの養育に一生懸命になることは親として当たり前でもあり,逆に子育てに理解がないとしてmたびたびたび口論になってしまうこともありました。

蒸気を原因とすることではなかったのですが,結婚当初,些細な口論から妻がヒステリー性の発作を起こすようになっていました。そこで,上記のように口論になると,妻はいつもではないが,発作を起こすようになってきました。

口論は続きますが,お互いの主張は平行線で,妻の養育や家事に対する熱中は変わりなく,夫が期待していた妻の像と現実の姿のギャップはどんどん大きくなっていってしまいます。

結婚5年後,そのような妻に愛想をつかし,夫はとうとう別居を決意してしまいます。

その翌年に夫は離婚調停を申し立てましたが,調停が3年にも及びますが不調に終わってしまいました。

そのまま別居生活は継続され,そして結婚10年後に夫は2回目の調停を申し立てることにします。しかし,これも不調に終わってしまいました。

そこで,そのまま夫は離婚訴訟を提起することにしました。

地裁では離婚の原因は夫のわがままであると請求は棄却されましたが,控訴し,高裁では離婚の原因は夫のみの責任ではなく,夫婦の人生観・性格の不一致にあるとし,さらに婚姻関係が完全に破たんしているとして,結局,請求は認容されました。