Y評点(経営状況の評点)の計算式
Y)= 167.3 × A(経営状況点数) + 583
(A)=-0.4650X1-0.0508X2 + 0.0264X3 + 0.0277X4 + 0.0011X5
  + 0.0089X6 + 0.0818X7 + 0.0172X8 + 0.1906
 このうち収益性・効率性と呼ばれる指標の、X3(総資本売上総利益率) X4(売上高経常利益率)を見てみる。(単独決算の場合)
 
2.収益性・効率性指標
収益性・効率性は、資産・資本の効率性をみる指標(総資本売上総利益率 X3)と、収益性の代表的な指標(売上高経常利益率 X4)。競争市場から影響を受けやすい「売上総利益(粗利)」と経常的な利益獲得能力を示す「経常利益」。2つの段階利益を利用した指標。
Y点への寄与度:27.1%

X3.総資本売上総利益率
売上総利益/総資本(2期平均)×100
※総資本の額は、貸借対照表における負債純資産合計の額とする。
売上総利益の額は、審査対象事業年度における売上総利益の額(個人の場合は完成工事総利益の額)とする。
総資本売上総利益率は、売上総利益の額を基準決算及び基準決算の直前の審査基準日における総資本の額の平均の額(その平均の額が3000万円に満たない場合は、3000万円とみなす)で除して得た数値(その数値に小数点以下5位未満の端数があるときは、これを四捨五入する)を百分比で表したものとする。

総資本売上総利益率は、投下資本に対して、売上から原価を引いた粗利がどれくらいかをみるもの。
工事の採算性の度合いや、資本の多寡に左右されるため、原価管理を徹底すると共に、資本のバランスにも注意が必要です。
Y点への寄与度:21.4%
点数幅:6.5%~63.6%(高いほど良い)

X4.売上高経常利益率
経常利益/売上高 ×100
 
※経常利益の額は、審査対象事業年度における経常利益の額(個人である場合においては事業主利益の額)とする。
売上高経常利益率は、経常利益の額を売上高(純支払利息比率(X1)の売上高の額)の額で除して得た数値(その数値に小数点以下5位未満の端数があるときは、これを四捨五入する)を百分比で表したものとする。 

売上高経常利益率は、財務活動なども含めた通常の企業活動における売上高に対する経常利益の割合を示し、金融収支なども含めた総合的な収益力を示す指標です。業績評価の指標として最も一般的なものです。
本業の稼ぎである営業利益の増加や借入金返済による支払利息の減少で、数値が高くなります。 Y点への寄与度:5.7%
点数幅:-8.5%~5.1%(高いほど良い)

点数アップのポイント
X3.総資本売上総利益率
(1)売上総利益を増加させることを考えます。
 ・売上高に占める売上原価の割合を下げる
 ・売上単価を不当に下げない
 ・適正な売上総利益を得られるようにする
 ・経費の支出が無駄のないように行われるようにする
 ・材料の適切な仕入れにより原価を抑える
 ・工程管理を徹底しムダを無くす
(2)総資本を減少させましょう。
 ・定期や積立などの切り崩し
 ・過剰在庫の削減
 ・遊休資産の処分
X4.売上高経常利益率
経常利益を上げることを考えましょう。
(1)質の良い売上高を増やす
 ・赤字工事は行わない
 ・原価管理を徹底(無理な値引きを行わない)
 ・人件費や外注費の削減(工程管理を徹底など)
(2)売上原価の割合を低くしましょう。
 ・外注費を抑制(複数業者から相見積もりを取るなど)
 ・材料費を抑制(在庫の管理を徹底)
(3)販売費および一般管理費の総額を少なくしましょう。
 ・経営に不必要な費用の削減
 ・人件費の削減
  (ただし、工事の質の低下などを招く恐れがあるような無理な削減は禁物)
 ・予算管理を徹底(費用の支払いをコントロール)
(4)営業外費用の多くは支払利息が占めることから、支払利息の額を少なくしまよう。