2007年 12月の記事一覧
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1 遺言は、遺言者の死亡とともに一定の効果を発生させることを目的
とする相手方のない単独行為です。
遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割
方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。
そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指
定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺
贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。
2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言
は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず
るときは、遺言者は生存していない。
そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における
制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ
ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。
それゆえ、
(1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす
ことができる。
(2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師
2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま
す。
(3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
とする相手方のない単独行為です。
遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割
方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。
そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指
定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺
贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。
2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言
は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず
るときは、遺言者は生存していない。
そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における
制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ
ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。
それゆえ、
(1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす
ことができる。
(2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師
2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま
す。
(3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
1 相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続
が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者
や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ
て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える
ことができます。
これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ
ばなりません。
2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと
きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁
故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与
がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。
3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属
します。
が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者
や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ
て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える
ことができます。
これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ
ばなりません。
2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと
きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁
故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与
がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。
3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属
します。
1 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人
(相続財産法人)となります。
これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか
分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行
うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を
用いたものです。
そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は
成立しなかったものとみなされます。
2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相続財産の管理人を選任します。
この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に
消滅します。
(相続財産法人)となります。
これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか
分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行
うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を
用いたものです。
そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は
成立しなかったものとみなされます。
2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相続財産の管理人を選任します。
この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に
消滅します。
1 相続の放棄は、例の3箇月の熟慮期間内に、家庭裁判所に申述
しなければなりません。
2 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人と
ならなかったものとみなされます。
この相続の放棄は、登記の有無を問わず、何人に対しても、その
効力を生じます。
(1)共同相続人中に相続の放棄をした者がいるときには、放棄者は
初めから相続人ではなかったものとみなされるので、他の共同相
続人は限定承認をすることができることになります。
(2)共同相続人中に相続の放棄をした者があるときには、相続人の
順序や相続分が変わることがあります。
例えば、妻と一人息子が相続人であった場合に、一人息子が相
続の放棄をすると、一人息子は初めから相続人ではなかったもの
とみなされるので、妻と父母等の直系尊属が相続人となり、妻の相
続分は2分の1だったものが、3分の2になるのです。
しなければなりません。
2 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人と
ならなかったものとみなされます。
この相続の放棄は、登記の有無を問わず、何人に対しても、その
効力を生じます。
(1)共同相続人中に相続の放棄をした者がいるときには、放棄者は
初めから相続人ではなかったものとみなされるので、他の共同相
続人は限定承認をすることができることになります。
(2)共同相続人中に相続の放棄をした者があるときには、相続人の
順序や相続分が変わることがあります。
例えば、妻と一人息子が相続人であった場合に、一人息子が相
続の放棄をすると、一人息子は初めから相続人ではなかったもの
とみなされるので、妻と父母等の直系尊属が相続人となり、妻の相
続分は2分の1だったものが、3分の2になるのです。
1 相続の承認には、単純承認と限定承認とがあります。
単純承認は、無限に被相続人の権利義務を承継する承認であり、
限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人
の債務と遺贈を弁済すべきことを留保してする承認です。後者は、
相続財産が債務超過であるか否かが不明の場合に実益があります。
明らかに債務超過である場合には、相続放棄をすれば足りるのです。
2 次の場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなされます。
(1)相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただ、保存行為
や短期賃貸借はこの処分に該当しません。
そして、判例によれば、相続人が自己のために相続が開始した事実を
知りながら相続財産を処分したか、または、少なくとも相続人が被相続人
の死亡した事実を確実に予想しながら敢えてその処分をしたことを要する
とされています。
(2)相続人が3箇月の熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったとき。
(3)相続人が、限定承認又は相続放棄をした後であっても、相続財産の全部
又は一部を隠匿したり、私にこれを消費したり、あるいは悪意でこれを相続
財産の目録中に記載しなかったとき。これは、相続財産に対する背信行為
があったときに、民法上の一種の制裁として、単純承認の効果を負わせたも
のです。
ただし、その相続人が相続放棄をしたことによって相続人となった者が相続
の承認をした後は、背信行為をしても単純承認をしたものとみなされません。
相続債権者や受遺者などとの関係が複雑化するからです。
3 相続人が数人いるときには、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ
行うことができます。
単純承認は、無限に被相続人の権利義務を承継する承認であり、
限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人
の債務と遺贈を弁済すべきことを留保してする承認です。後者は、
相続財産が債務超過であるか否かが不明の場合に実益があります。
明らかに債務超過である場合には、相続放棄をすれば足りるのです。
2 次の場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなされます。
(1)相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただ、保存行為
や短期賃貸借はこの処分に該当しません。
そして、判例によれば、相続人が自己のために相続が開始した事実を
知りながら相続財産を処分したか、または、少なくとも相続人が被相続人
の死亡した事実を確実に予想しながら敢えてその処分をしたことを要する
とされています。
(2)相続人が3箇月の熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったとき。
(3)相続人が、限定承認又は相続放棄をした後であっても、相続財産の全部
又は一部を隠匿したり、私にこれを消費したり、あるいは悪意でこれを相続
財産の目録中に記載しなかったとき。これは、相続財産に対する背信行為
があったときに、民法上の一種の制裁として、単純承認の効果を負わせたも
のです。
ただし、その相続人が相続放棄をしたことによって相続人となった者が相続
の承認をした後は、背信行為をしても単純承認をしたものとみなされません。
相続債権者や受遺者などとの関係が複雑化するからです。
3 相続人が数人いるときには、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ
行うことができます。
1 相続人が相続の承認・放棄をしないで死亡した時には、3箇月の熟慮
期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知
った時から起算されます。第1の相続人の死亡の時から起算するので
はないので、注意が必要です。
2 相続に承認・放棄は、3箇月の熟慮期間内であっても、撤回することは
できません。
勿論、民法の総則編や親族編の規定によって、取り消すことはできます。
したがって、未成年者・成年被後見人が単独でした承認・放棄、被保佐人
が保佐人の同意なしにした承認・放棄、補助人の同意を要する場合におい
て被補助人が補助人の同意なしにした承認・放棄、詐欺・強迫によってした
承認・放棄、後見監督人の同意を得ないで後見人のした承認・放棄は、いず
れも取り消すことができます。
ただ、この取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しない時
は、時効によって消滅します。相続の承認・放棄の時から10年経過した時も
同様です。
期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知
った時から起算されます。第1の相続人の死亡の時から起算するので
はないので、注意が必要です。
2 相続に承認・放棄は、3箇月の熟慮期間内であっても、撤回することは
できません。
勿論、民法の総則編や親族編の規定によって、取り消すことはできます。
したがって、未成年者・成年被後見人が単独でした承認・放棄、被保佐人
が保佐人の同意なしにした承認・放棄、補助人の同意を要する場合におい
て被補助人が補助人の同意なしにした承認・放棄、詐欺・強迫によってした
承認・放棄、後見監督人の同意を得ないで後見人のした承認・放棄は、いず
れも取り消すことができます。
ただ、この取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しない時
は、時効によって消滅します。相続の承認・放棄の時から10年経過した時も
同様です。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時
から3箇月以内に、相続の承認・放棄をしなければなりません。
「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、単に
相続開始の原因たる事実を知った時ではなく、自己が相続人と
なったことを確知した時と解されています。
さらに、判例は、この熟慮期間は、相続人が相続財産の全部
または一部の存在を認識した時または通常認識することのでき
る時から起算するべきであるとしています。
そして、相続人が数人いる場合には、3箇月の期間は、相続人
がそれぞれ自己のために相続の開始があったことを知った時か
ら各別にに進行します。
もっとも、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、
家庭裁判所において伸長することができます。
から3箇月以内に、相続の承認・放棄をしなければなりません。
「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、単に
相続開始の原因たる事実を知った時ではなく、自己が相続人と
なったことを確知した時と解されています。
さらに、判例は、この熟慮期間は、相続人が相続財産の全部
または一部の存在を認識した時または通常認識することのでき
る時から起算するべきであるとしています。
そして、相続人が数人いる場合には、3箇月の期間は、相続人
がそれぞれ自己のために相続の開始があったことを知った時か
ら各別にに進行します。
もっとも、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、
家庭裁判所において伸長することができます。
1 遺産分割の協議は、相続人全員でしなければ効力がありません。
では、共同相続人中に行方不明の者がいた場合にはどうしたらいい
でしょうか。
この場合には、二つの方法があります。
(1)失踪宣告をしてもらう方法。ただ7年間生死不明である必要があり
ます。
(2)不在者の財産管理人の選任を家庭裁判所に請求する方法。この
場合、不在者財産管理人が家裁の許可を得て遺産分割の協議に
参加することになります。
2 では、相続の開始後に認知によって相続人となった者がいた場合に
は、この者の遺産分割の請求と遺産分割協議との関係はどうなるでし
ょうか。
この場合には、認知された時と遺産分割協議の成立時の先後によっ
て変わってきます。すなわち、遺産分割協議が成立する前に認知され
ていたのであれば、その者を除外してなされた遺産分割協議は無効で
あり、その者を加えて改めて遺産分割協議をやり直す必要があります。
これに対して、遺産分割協議が成立した後に認知された場合には、
遺産分割協議をやり直す必要はなく、その者は価額のみによる支払い
の請求権を有するだけです。
3 遺産分割の協議が成立したら、必ず遺産分割協議書という書面にして
おくことをお勧めします。成立の時点では口約束だけでいいと思うかもし
れませんが、後々事情が変わって紛争が生じることが多いため、それを
回避する必要があるからです。勿論、当事務所でも承っております。
また、不動産の相続登記を行うときには、遺産分割協議書が添付書類
として必要となるからです。
では、共同相続人中に行方不明の者がいた場合にはどうしたらいい
でしょうか。
この場合には、二つの方法があります。
(1)失踪宣告をしてもらう方法。ただ7年間生死不明である必要があり
ます。
(2)不在者の財産管理人の選任を家庭裁判所に請求する方法。この
場合、不在者財産管理人が家裁の許可を得て遺産分割の協議に
参加することになります。
2 では、相続の開始後に認知によって相続人となった者がいた場合に
は、この者の遺産分割の請求と遺産分割協議との関係はどうなるでし
ょうか。
この場合には、認知された時と遺産分割協議の成立時の先後によっ
て変わってきます。すなわち、遺産分割協議が成立する前に認知され
ていたのであれば、その者を除外してなされた遺産分割協議は無効で
あり、その者を加えて改めて遺産分割協議をやり直す必要があります。
これに対して、遺産分割協議が成立した後に認知された場合には、
遺産分割協議をやり直す必要はなく、その者は価額のみによる支払い
の請求権を有するだけです。
3 遺産分割の協議が成立したら、必ず遺産分割協議書という書面にして
おくことをお勧めします。成立の時点では口約束だけでいいと思うかもし
れませんが、後々事情が変わって紛争が生じることが多いため、それを
回避する必要があるからです。勿論、当事務所でも承っております。
また、不動産の相続登記を行うときには、遺産分割協議書が添付書類
として必要となるからです。
1 遺産分割は、遺産に属する物・権利の種類・性質・各相続人の年齢・職業・
心身の状態・生活の状況その他一切の事情を考慮してするように定められ
ています。
2 共同相続人は、被相続人が遺言で遺産分割を禁じた場合(相続開始時か
ら5年以内に限る)を除いて、いつでも遺産分割の協議をすることができます。
もっとも遺産分割の協議が調わないとか、協議をすることができないときは、
その分割を家庭裁判所に請求することができます。
3 問題点
(1) 共同相続人の協議によって遺産分割を禁止することができるでしょうか。
相続人が数人いる時には、相続財産は共有になっていますから、共同
相続人の協議によって遺産分割を禁止する時は、一種の共有物分割の
禁止であり、当事者間の合意によって有効に成立します。
また、当事者全員の合意があれば、当然その禁止の合意は解除するこ
とができます。
(2) では、遺産分割協議において、相続人の一人が負担した債務を履行しな
い場合に、「他の共同相続人」は協議を解除することができるでしょうか。
判例はできないとしています。遺産分割は、相続開始時に遡ってその効力
を生じるので、分割協議の解除を認めると再分割を余儀なくされ、法的安定
性を害するからです。
(3) 一方、判例は、既に成立している遺産分割協議を「共同相続人全員」の合意
によって解除し、改めて分割協議をすることができるとしています。
もっとも、これについては、(2)と同様に法的安定性を重視して、合意解除は
制限されるべきであるとする見解も有力です。
心身の状態・生活の状況その他一切の事情を考慮してするように定められ
ています。
2 共同相続人は、被相続人が遺言で遺産分割を禁じた場合(相続開始時か
ら5年以内に限る)を除いて、いつでも遺産分割の協議をすることができます。
もっとも遺産分割の協議が調わないとか、協議をすることができないときは、
その分割を家庭裁判所に請求することができます。
3 問題点
(1) 共同相続人の協議によって遺産分割を禁止することができるでしょうか。
相続人が数人いる時には、相続財産は共有になっていますから、共同
相続人の協議によって遺産分割を禁止する時は、一種の共有物分割の
禁止であり、当事者間の合意によって有効に成立します。
また、当事者全員の合意があれば、当然その禁止の合意は解除するこ
とができます。
(2) では、遺産分割協議において、相続人の一人が負担した債務を履行しな
い場合に、「他の共同相続人」は協議を解除することができるでしょうか。
判例はできないとしています。遺産分割は、相続開始時に遡ってその効力
を生じるので、分割協議の解除を認めると再分割を余儀なくされ、法的安定
性を害するからです。
(3) 一方、判例は、既に成立している遺産分割協議を「共同相続人全員」の合意
によって解除し、改めて分割協議をすることができるとしています。
もっとも、これについては、(2)と同様に法的安定性を重視して、合意解除は
制限されるべきであるとする見解も有力です。
1 被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定めたり、あるいはこれを定める
ことを第三者に委託することができます。ただ、この場合、遺留分(以前の記事を
参照)に関する規定に違反することはできません。
ここで、遺留分を侵害する行為は、当然に無効となるのかが問題となります。
この点に関しては、遺留分を侵害する行為も当然には無効とならず、減殺請求
(遺留分を保留する権利)ができるだけであるとされていますから、遺留分を侵害
する相続分の指定も一応効果は生じ、減殺請求がされたときには、遺留分を侵害
する範囲でその効果が失われることになります。
cf. 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合に
は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には2分の1とされています。
2 特別受益者(共同相続人の中で、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻・養子縁組
のためあるいは生計の資本として贈与を受けた者)の相続分は、被相続人が相続
開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産と
みなし、法定相続分ないし遺言による指定相続分の中からその遺贈・贈与の価額
を控除した残額となります。
そして、遺贈・贈与の価額が、相続分の価額に等しかったり、これを超える時には
特別受益者はその相続分を受けることができません。
3 逆に、特別寄与者(共同相続人の中で、被相続人の事業に関する労務の提供・財
産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持・増
加について特別の寄与をした者)の相続分は、被相続人が相続開始時に有した財産
の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産
とみなし、法定相続分ないし指定相続分に寄与分を加えた額となります。
勿論、共同相続人の協議で寄与分の額が定まらないときには、家庭裁判所に寄与
分審判の請求をすることができます。
ことを第三者に委託することができます。ただ、この場合、遺留分(以前の記事を
参照)に関する規定に違反することはできません。
ここで、遺留分を侵害する行為は、当然に無効となるのかが問題となります。
この点に関しては、遺留分を侵害する行為も当然には無効とならず、減殺請求
(遺留分を保留する権利)ができるだけであるとされていますから、遺留分を侵害
する相続分の指定も一応効果は生じ、減殺請求がされたときには、遺留分を侵害
する範囲でその効果が失われることになります。
cf. 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合に
は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には2分の1とされています。
2 特別受益者(共同相続人の中で、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻・養子縁組
のためあるいは生計の資本として贈与を受けた者)の相続分は、被相続人が相続
開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産と
みなし、法定相続分ないし遺言による指定相続分の中からその遺贈・贈与の価額
を控除した残額となります。
そして、遺贈・贈与の価額が、相続分の価額に等しかったり、これを超える時には
特別受益者はその相続分を受けることができません。
3 逆に、特別寄与者(共同相続人の中で、被相続人の事業に関する労務の提供・財
産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持・増
加について特別の寄与をした者)の相続分は、被相続人が相続開始時に有した財産
の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産
とみなし、法定相続分ないし指定相続分に寄与分を加えた額となります。
勿論、共同相続人の協議で寄与分の額が定まらないときには、家庭裁判所に寄与
分審判の請求をすることができます。
「相続分」の意義は、条文によって異なりますが、ここでは「共同相続人が
相続財産上にもつ権利承継の割合」と考えておけばいいでしょう。
1 法律で定められた相続分(法定相続分)は次のようになります。これは被相続人
の遺言による指定がなかった場合に適用されます。
(1)子と配偶者が相続人であるときは、子2分の1・配偶者2分の1
(2)配偶者と直系尊属(父母・祖父母等)が相続人であるときは、配偶者3分の2・
直系尊属3分の1
(3)配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者4ぶんの3・兄弟姉妹4分の1
2 子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、各自の相続分は等しくなります。
ただし、嫡出でない子(夫婦関係にない女から出生した子)の相続分は、嫡出である
子の相続分の2分の1であり、また、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分
は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。
3 代襲相続人(以前の記事を参照)の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったも
のと同じです。したがって、代襲相続人が数人いるときには、その直系尊属がうけるべ
きであった部分について、1,2に従って相続分を定めることになります。
このことは、兄弟姉妹の子が代襲相続する場合も同じです。
相続財産上にもつ権利承継の割合」と考えておけばいいでしょう。
1 法律で定められた相続分(法定相続分)は次のようになります。これは被相続人
の遺言による指定がなかった場合に適用されます。
(1)子と配偶者が相続人であるときは、子2分の1・配偶者2分の1
(2)配偶者と直系尊属(父母・祖父母等)が相続人であるときは、配偶者3分の2・
直系尊属3分の1
(3)配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者4ぶんの3・兄弟姉妹4分の1
2 子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、各自の相続分は等しくなります。
ただし、嫡出でない子(夫婦関係にない女から出生した子)の相続分は、嫡出である
子の相続分の2分の1であり、また、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分
は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。
3 代襲相続人(以前の記事を参照)の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったも
のと同じです。したがって、代襲相続人が数人いるときには、その直系尊属がうけるべ
きであった部分について、1,2に従って相続分を定めることになります。
このことは、兄弟姉妹の子が代襲相続する場合も同じです。
相続の一般的効力は、初回に記事にしましたので、今回は省略します。
1 相続人が数人いるときには、相続財産はその共有に属します。
したがって、各共同相続人は、共有物の全部についてその持分に応じた
使用をすることができる反面、他の共同相続人全員の同意を得なければ、
その共有物に変更を加えることができません。これは、遺産分割協議が
整うまでのことですね。
2 各共同相続人は、その相続分(次回記事にします)に応じて被相続人の
権利義務を承継します。
判例によれば、相続財産中の分割が可能な可分債権は法律上当然分割
され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継しますが、相続人は
遺産分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管して
いる他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求める
ことはできません。
1 相続人が数人いるときには、相続財産はその共有に属します。
したがって、各共同相続人は、共有物の全部についてその持分に応じた
使用をすることができる反面、他の共同相続人全員の同意を得なければ、
その共有物に変更を加えることができません。これは、遺産分割協議が
整うまでのことですね。
2 各共同相続人は、その相続分(次回記事にします)に応じて被相続人の
権利義務を承継します。
判例によれば、相続財産中の分割が可能な可分債権は法律上当然分割
され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継しますが、相続人は
遺産分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管して
いる他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求める
ことはできません。
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