相談を受けていると家族って不思議と思うことがあります。

ある高齢の方が,苦労しながら子育てをしていた話をされました。それでも,その苦労をかけられた子供に腹を立てる出なく,一生懸命育てられたそうです。

しかし,子どもは大人になると家を出て,親を見向きもしません。高齢になって不安な思いをつたえても,全然,自分は関係ないって顔をするだけです。

他の人からこんな話を聞きました。酒癖が悪く,全然子供を構ってくれなかった父親。でも,心配でほっとけない。父は一人暮らしをしているが,心配で家に行くと,帰れって言って何もさせてくれない。

上の二つの話。一つは苦労をして大切に育ててきたはずの子どもに裏切られた話,一方でほっといて,逆に苦労をかけたであろう子どもから優しさを受ける親。

子どもが問題を起こした時に「親の顔が見たい!」とか以前は言っていました。

しかし,育て方,環境,もちろん人の心の成長に大きな影響を与えるものでしょうが,それだけでもないのかもしれません。

人が持っているその人特有の心の中の何らかの要素に,環境要因が触媒のような感じで変化を促すのでしょうか?

要素は一般的に「いい環境」だからといってよい変化をするとは限らず,一般的に「悪しき環境」だからといって悪く変化をするわけではない。

特有の要素なので,ある人にとっては触媒となる環境も,ある人にとっては何の影響も及ぼさない。

そういう特有の要素がそもそもあるのではないかと思わせられる今日この頃です。