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NHKの日曜美術館で放送された犬塚勉の作品が、奥多摩の「せせらぎの里美術館」で展示されている。
行くには少し遠いので、画集「稜線の風の如く」を購入した。
原寸を見てみたいが、B4でもやはりすごい画家だとわかる。
しかし21年前、谷川岳でスケッチ登山のとき遭難死している。
38歳。早すぎる。
もっといろんな作品を描いてほしかった。
本物を見に行こうかな。

トムラウシ、19歳のときに三人で登っています。
このときはクワンナイ川を遡行しての山行でした。
川といっても沢ですが、遡行は北大山岳部と前後しての登りで、二日目に大滝を横の岩壁を登るとその先は2kmのナメ滝が続きます。
石ころ一つないゆるーい傾斜のナメ滝は滑るとさっきの大滝に落ち死んじゃうので、自己責任で三人ともザイルで結ばない。
こんなに緊張した遡行は初めてでした。
なにしろ2kmも一枚岩で掴むところが全く無いのです。

この夏はいつまでも天気が続き、ただ登山者がクマに襲われて亡くなったと、稜線で北から来たエーデルワイスクラブのおばさん達が教えてくれました。
天気よりクマが怖かった。

山登りは多く登っているから経験が豊富であるとはいえません。
しっかりと雪上トレーニングや登攀訓練を積んでいないと、普通の夏山でも万が一の時危ないのです。
こういうトレーニングをやっていると、自分の力がわかり、山は怖いものと感じるようになります。
リーダー(ましてやガイド)はその経験が必要となります。
過信してはならないし、少しの判断ミスも許されない。

暴風雨の中登らされて亡くなった方のご冥福を祈ります。
合掌。