先日ある異業種交流会に参加したときに出た話題のひとつに、

『会社は誰のものか?』というものがありました。


以前は、会社は経営者のもの…という感覚の経営者が多かったと思うのですが、

特に21世紀に入ってからは、「株主のもの」ということが喧伝されてきたように思います。

いずれの上場企業も相次いで「株主重視」の施策を打ち出し、コンプライアンス確保のため

人とお金をかけるようになりました。

会社法上、株式会社の所有者は「株主」です。したがって、株主の利益に合致する経営が

取締役に求められるのは当然です。

しかし、昨今の「株主重視」はやや行き過ぎの感もあったように思います。

ライブドアや村上ファンドの事件の背景には、「株主は所有者だから何をやってもいいんだ

という意識があり、またマスメディアもそういう風潮を助長していた時期があったように思い

ます。


そして、この行き過ぎた株主重視がもたらしたもののひとつに、「働く者の軽視」があると思

います。

会社における序列が、株主→取締役→顧客→取引先…→社員・・・という構図になって、

社員・従業員は単なるパーツ扱いという感覚が生まれてきたように感じます。そして派遣社

員制度がそれをさらに推し進めてきたのではないでしょうか。


つづく