2011年 4月の記事一覧

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11年04月28日 11時36分45秒
Posted by: heartful

この夫婦は見合い結婚でゴールインしました。

見合い後に,交際を始め,1年の交際の後,見事ゴールイン。そして,普通の夫婦として当たり前に,新婚旅行へ1週間以上の日程で行きました。しかし,交際中も,新婚旅行中も一度も性交渉はなかったというのです。

実際には後に,配偶者が性交不能の状態であることがわかりました。しかし,婚姻に際し,配偶者側から性交不能であるといった告知は一切なかったのです。

性交不能という事実を明らかにすると婚姻するにあたって,不利な情報となる。そう思うことは致し方ないでしょう。

しかし,婚姻は相手のあること。さらに,両性の合意が必要なこと。相手がこの件をどう受け止めるのかを確かめなかったのは,相手への配慮に欠けていると言われても仕方がないのかもしれません。

そこで一方の配偶者側から「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとして離婚請求がなされることになりました。

裁判所の判断では結婚当時,当事者同士の中で性交渉を重視しないなどといった別段の取り決めがあるわけでなく,性交渉の有無は婚姻の重要な要素であるとして「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するとされました。

また,性交不能を告げなかった点は信義則に照らし違法であるとして,慰謝料の支払いを命じました。

裁判所も婚姻は両性の合意。協力があって成り立つものという立場なのでしょう。

11年04月26日 09時41分22秒
Posted by: heartful

つい,お年寄りだから,障がい者だから,男のくせに,女のくせになどの何らかの枠にはめて考えてしまうことがありますよね?

血液型でも,やっぱりO型とかいうように,そういう景色はよく見られます。楽しい会話の中では盛り上げのエッセンス的要素になるその言葉も,社会的弱者と呼ばれる人に向けられる時,そういう気持ちはややもすると偏見の芽ともなってしまいます。

人と向き合う時,そういう気持ちをちょっと忘れ去って,自分の気持ちをフラットにして耳と心を傾けてみると意外な発見をするかもしれません。

お年寄りだから先が短い,また,障がいがあるから不幸と短絡的に結び付けてしまっていては,その先にある希望や夢を共感することはできないのかもしれません。

誰の心にもあるはずの希望や夢を,共感,そして発見しながらふれあうことで,本当の意味で「相手の立場に立つ」ということができるのかもしれません。

ノーマライゼーションという言葉があります。住む町の様々な障壁をとりながら,誰でも普通に生活できる環境作りといった意味なのでしょう。

その様々な障壁の中には人の心の中にある「高齢者・障がい者だから」といった気持ちの障壁もあるのかもしれません。

ただ,普通のノーマルな生活を障がいのある人が手に入れるためには様々な支援が必要です。そういった人や物の支援を受けながらのノーマルな生活というのは,ひょっとしてアブノーマルじゃないかという声もあるかもしれません。

しかし,そのアブノーマルがノーマルといえることがノーマライゼーションではないでしょうか。

QOLという言葉があります。クオリティー・オブ・ライフですね。すっかり定着している言葉で,「生活の質」といった意味らしいですね。このライフの中には生活といった単純な意味ではない3つの意味があるそうです。

「人生の達成感」「生命の充実感」「生活の満足感」です。

生活の質の生活を,単純に考えていては本当に相手の立場に立つことにはなれないでしょう。生活を「生命」「生活」「人生」と包括的にとらえていきながらその中身をしっかりととらえることが必要でしょう。

「相手の立場に立って考えなさい」小さいころからよく言われた言葉ですが簡単ではないですよね。

11年04月25日 11時56分39秒
Posted by: heartful

補助類型の対象となる方は「精神上の障害により」「事理を弁識する能力が不十分な」方となります。「不十分」な状態は,家庭裁判所が医師の診断書判断材料として決定します。

補助類型の対象者は大まかに財産管理等できる等,複雑でない契約を締結する能力もある方なので,補助開始の審判の申立には必ず本人の同意を必要とします。

補助人には後見人のような代理権,保佐人のような同意権が法律上当然に付与されていません。そこで,代理権や同意権が必要な場合には補助開始の審判と同時に代理権,または同意権の付与申し立てを行う必要があります。

同意権については保佐同様以下の民法13条1項に規定された特定の法律行為の中から補助人の同意のもと内容を定め,家庭裁判所が決定します。

①元本を領収し,または利用すること。
②借財または保証をすること。
③不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
④訴訟行為をすること。
⑤贈与,和解または仲裁合意をすること。
⑥相続の承認もしくは放棄または遺産の分割をすること。
⑦贈与の申し込みを拒絶し,遺贈を放棄し,負担付贈与の申し込みを承諾し,または負担付き遺贈を承認すること。
⑧新築,改築,増築または大修繕をすること。
⑨民法602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

代理権については,上記の特定の法律行為だけではなく,他の法律行為についても定めることができます。しかし,補助人の同意が必要です。

補助開始にともない,保佐や後見のように資格や権利を喪失することはありません。

補助は「判断能力の不十分な」場合ですので,保佐や後見よりも自己決定権などが保障されているといえます。

11年04月24日 11時34分05秒
Posted by: heartful

新たな在留管理制度は,これまで入管法に基づいて入国管理官署が行っていた情報の把握と,外国人登録法に基づいて市区町村が行っていた情報の把握を基本的にひとつにまとめて,法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。

我が国に中長期間にわたり適法に在留する外国人が対象となり,在留カードが交付されるほか,届出手続などが変わります。

新制度の導入により在留管理に必要な情報をこれまで以上に正確に把握できるようになり,これによって,在留期間の上限をこれまでの3年から最長5年とすることや,1年以内に再入国する場合の再入国許可手続を原則として不要とするみなし再入国許可制度の導入など適法に在留する外国人について更に利便を図ることが可能になります。

なお,新たな在留管理制度の導入に伴って外国人登録制度は廃止されることになります。

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