厚生労働省の調査によると、目や鼻のアレルギー症状が出た季節として、もっとも多いのはもちろん春ですが、
夏から秋、秋ごろ、秋から冬という回答もあわせて15.7%にのぼっています。
その主要な原因が、ブタクサ、ヨモギ、カモガヤなどによる秋の花粉症とみられています。

その中でも、代表的なのがブタクサです。ブタクサはヨモギと同じキク科植物の風媒花(花粉が風で運ばれて受粉する花)で、北アメリカ原産の
帰化植物です。アメリカでは、ブタクサの花粉症に悩まされている人が日本よりはるかに多く、全人口の数%以上を占めると言われています。

野原や道端、荒れ地、畑の周辺などに生育し、高さは30cmから大きいものでは1.5mに達します。花粉が飛ぶピークの時期は8月~10月。
この時期、鼻水、鼻づまり、連発するクシャミ、目のかゆみなどが起こったら、風邪と決め付けず、花粉症を疑ってみることも大切です。

対策としてはすぐにできるのは、春の花粉症対策と同じくマスクはメガネの装着。厚生労働省の研究によると、花粉の飛散が多い時、通常のマスクは
吸い込む花粉のおよそ2~3分の1に、花粉専用のマスクは6分の1に減らす効果が期待できるそうです。

同様にメガネも目に入る花粉を2~3分の1に減らし、とくに花粉症用のメガネでは4分の1程度に減少させることがわかっています。
どちらも過信は禁物ですが、すぐできる対策としては効果が期待できると思います。

最近ではブタクサ花粉症を起こす人は、スイカ、メロン、きゅうり、ズッキーニといったウリ科の植物に対する食物アレルギーを併せ持つケースが
多いことがわかってきました。これらの果物や野菜を食べて、口や唇、のどなどに刺激やかゆみなどを感じる場合には、その恐れがあります。

思い当たる症状があれば、アレルギー科などで受診し、花粉症とともに診断と適切な治療を受けましょう。