長引く経済不況は、消費の低迷や公共事業の縮小もあってか、建設業界においては依然厳しい状況が続いている。

 以前から日本の建設業者は多すぎると言われてきたが、政治家を裏で支えているのは土建業者が多いこともあり、政治家がなんとか公共工事を作り出して支えてきたとも言えなくもない。お互い持ちつ持たれつの関係は未だに続いているようだ。

 莫大な債務を抱える政府の予算に締める公共工事は年々少なくなり、企業の投資も厳しくなるにつれ、建設業者もそのまま生き残っていけるわけもなく、どんどん廃業に追い込まれている。

 ところが一方で、建設業許可申請件数は微増と減る気配がない。それどころか、建設業許可を条件に下請排除に向かっているようだ。業界全体のパイが毎年減っていっている以上、下請に回すほど余裕がない。ましてや、皆仕事を欲しがっているわけだから、どの下請を使うかというと、許可をとっている業者に優先的にまわしてもおかしくない。

 「建設業許可業者にしか仕事は発注しません」というのは、不信感をもたれている建設業者にとって、渡りに船の絶妙なキャッチフレーズに違いない。

 これは、一件いい方向に向かっていっているように見えるが、そうともいえない。困った問題も起きている。

新規に業種を追加したり、別の業界から参入してくる障壁となってしまう。

 取得しようとする許可業種に関連する国家資格を有していれば問題ないが、非常に少ない。大抵は、10年の実務経験か、高校・大学の専門課程終了+3年又は5年の実務経験、技能検定+3年の実務経験のどれかである。

 どうしても実務経験を積む必要があるわけだが、許可業者にしか仕事を回さないとなると実務経験をつめなくなってしまう。どこからか、選任技術者を引き抜いてくるしか方法がない。IT業界のように人の流動化が進んでいない業界だけに、世代交代の停滞、既得権益化するのではないかと心配になる。

 何が一番言いかといわれても困るが、規制を逆手に取られないよう、消費を増やすのがよさそうだ。国民が消費拡大路線に進もうという意図をはっきりさせれば、政治家や官僚も増税ありきの旧来の考え方を改めざるを得ないのではなかろうか。