慰謝料とは、相手の不法行為に対する損害賠償のことをさします。暴力や精神的な苦痛を相手に与える行為は不法行為です。また、不貞行為などは婚姻の義務を侵す不法行為となります。暴力をふるうとか、不貞行為をしている場合にはどちらに責任があるかは明瞭です。
 しかし、性格の不一致や家族親族との折合いが悪いといった場合は、どちらに責任があるかという判断がむずかしく、慰謝料の請求ができるとはいえない場合が多いようです。

 離婚というと、慰謝料という言葉を連想される方は多いかもしれません。しかし、一般的には慰謝料請求を伴う離婚はそれほど多くありません。離婚を切り出した方が、相手に慰謝料を支払うものと思われている方も多いようですが、基本的にはそういったことはありません。もし、そのことで離婚を切り出すのをためらっているのであれば、その必要はないということになります。
 
 相手に明瞭な不法行為があった場合、離婚に際して慰謝料請求を行うことは当然のことかもしれません。ただ、ある意味で、慰謝料請求は過去の責任を問うことと考えられます。相手の今までの落度を指摘していくため、どうしても過去に目が向いてしまいがちです。そして、争いに発展してしまうことも少なくありません。弁護士費用や裁判費用に多額の出費をして、結果として、離婚後の生活が苦しくなるといったことがないように考えていきたいものです。

 離婚は、終点ではなく次の新しい人生のための出発点です。離婚の際には、養育費、あるいは扶養的財産分与といった話し合いも持ちます。過去の慰謝料ばかりにとらわれすぎず、未来の生活にも視点を置いた話し合いをするほうが、合意点を見つけやすいかもしれません。
また、口約束は守られにくいものです。話し合いで決めたことは、公正証書のようなしっかりとした書面にすることもお勧めいたします。

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