毎年、未成年の子どもがいる親の離婚が約15万件、そして離婚によりどちらかの親が親権をとる未成年の子の数は約25万人になるそうです。私たちの相談室でも、このところ、こういった未成年の子どものいる離婚に関するご相談が増加しています。
 離れて暮らす親は、子どもを育てる側の親に養育費を支払うことで扶養義務を行ないます。しかし、実際には、養育費の支払われていないケースの方が多いのが現状です。

 その理由は様々ですが、子どもの側に立って考えると親の都合が優先されていることが感じられます。離婚には夫婦間では止むを得ない事情があるかもしれません。しかし、離婚で一番不利益を被るのは、子どもたちです。親の離婚によって子どもたちは、経済的にも心理的にも、被害を受ける可能性があります。
 両親の別離により、子どもたちの生活環境が変わるのは必然かもしれません。しかし、できる限り、それ以前の環境を保持できる方法を考えていくのは親の義務といえるようです。
 
 養育費は、経済的な部分で子どもが健全な成長をしていくために欠かせません。でも、それ以上に大切なこととして、離れて暮らす親からの愛情を感じるための大きな要素ともいえます。たとえ、面会することがなかなか困難な場合でも、養育費が支払われていることで、子どもは愛されていることを実感できるようです。 

 離れて暮らす親が、いつまでも自分を大切な存在と思ってくれているという実感は、子どもの健全な育成に欠かせないことではないかと思います。養育費は、言わば愛情の証と受けとめることもできます。とかく親の都合で離婚の際の取り決めが行なわれてしまうことが多い現状ですが、養育費についてはこんな視点があることを知っていただき、しっかりとした取り決めをしていただきたいと感じます。

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