最近、「デートDV」という言葉をよく耳にするようになりました。また、それに関わる相談も何件か入っています。DV(ドメスティックバイオレンス)という言葉は、直訳すれば「家庭内の暴力」を意味します。特に夫婦間で相手から受ける、肉体的暴力や精神的暴力をこう呼ぶことが多いようです。定義を少し広げると、夫婦や親子、そして恋人といった本来は親密な関係であるはずの相手から受ける暴力を指す言葉でもあるようです。

 デートDVとは、主に結婚していない男女間での体、言葉、態度による暴力を意味するようです。親密な相手を思い通りに動かす為に使われるいろいろな種類の暴力を指します。こういったことが起きる理由として、暴力によって自己決定権を剥奪したり、力を持って相手を支配したりというように相手を自分の思い通りにしたいという欲求を満たすためと言われているようです。家族ではないのだから、被害者は逃げればよいという発想もできそうですが、心理的に一旦支配と隷属といった関係ができてしまうとそれができない状態に陥ります。

 こういったことは、家庭内で起きるDVでも起きることですが、特にデートDVでは孤独への恐怖が問題を深刻にしてしまうようです。そして、そのことがなかなか相談につながらない原因ともなります。また、相談を受けた者が安易に「別れれば良い!」といった対応をすると、二度と相談に来なくなってしまいます。愛情というよりは、孤独への恐怖が問題解決を遅らせてしまうようです。だからこそ、相談者はそのことに配慮しなければなりません。

 心理的な面とともに、デートDVでは家庭内のDVの場合に適応されるような法的庇護が受け難い面もあります。DV法は家庭内の暴力を想定しているため、デートDVには適応されにくいようです。また、部屋の中で行われる行為のため、ストーカー防止法といった法律も不適当となります。しかし、明らかに不法な行為であることは間違いありません。こういった被害者を守るためには、心理面と法律面の両面の対応が不可欠です。被害を受けている人や身近にそういった被害者がいることに気付いた場合には、安心できる相談場所でできるだけ早く相談することを検討していただきたいと思います。

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