1 遺産分割の協議は、相続人全員でしなければ効力がありません。
  では、共同相続人中に行方不明の者がいた場合にはどうしたらいい
 でしょうか。
  この場合には、二つの方法があります。
 (1)失踪宣告をしてもらう方法。ただ7年間生死不明である必要があり
   ます。
 (2)不在者の財産管理人の選任を家庭裁判所に請求する方法。この
   場合、不在者財産管理人が家裁の許可を得て遺産分割の協議に
   参加することになります。
2 では、相続の開始後に認知によって相続人となった者がいた場合に
 は、この者の遺産分割の請求と遺産分割協議との関係はどうなるでし
 ょうか。
  この場合には、認知された時と遺産分割協議の成立時の先後によっ
 て変わってきます。すなわち、遺産分割協議が成立する前に認知され
 ていたのであれば、その者を除外してなされた遺産分割協議は無効で
 あり、その者を加えて改めて遺産分割協議をやり直す必要があります。
  これに対して、遺産分割協議が成立した後に認知された場合には、
 遺産分割協議をやり直す必要はなく、その者は価額のみによる支払い
 の請求権を有するだけです。
3 遺産分割の協議が成立したら、必ず遺産分割協議書という書面にして
 おくことをお勧めします。成立の時点では口約束だけでいいと思うかもし
 れませんが、後々事情が変わって紛争が生じることが多いため、それを
 回避する必要があるからです。勿論、当事務所でも承っております。
  また、不動産の相続登記を行うときには、遺産分割協議書が添付書類
 として必要となるからです。