07年12月18日

遺言

1 遺言は、遺言者の死亡とともに一定の効果を発生させることを目的
 とする相手方のない単独行為です。
  遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割
 方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。
  そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指
 定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺
 贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。
2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言
 は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず
 るときは、遺言者は生存していない。
  そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における
 制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ
 ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。
  それゆえ、
 (1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす
   ことができる。
 (2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師
   2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま
   す。
 (3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
07年12月18日 | Category: General
Posted by: shigyo
07年12月17日

相続人の不存在2

1 相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続
 が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者
 や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ
 て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える
 ことができます。
  これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ
 ばなりません。
2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと
 きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁
 故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与
 がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。
3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属
 します。
07年12月17日 | Category: General
Posted by: shigyo
07年12月14日

相続人の不存在

1 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人
 (相続財産法人)となります。
  これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか
 分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行
 うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を
 用いたものです。
  そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は
 成立しなかったものとみなされます。
2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
 相続財産の管理人を選任します。
  この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に
 消滅します。
07年12月14日 | Category: General
Posted by: shigyo
07年12月13日

相続の放棄

1 相続の放棄は、例の3箇月の熟慮期間内に、家庭裁判所に申述
 しなければなりません。
2 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人と
 ならなかったものとみなされます。
  この相続の放棄は、登記の有無を問わず、何人に対しても、その
 効力を生じます。
 (1)共同相続人中に相続の放棄をした者がいるときには、放棄者は
  初めから相続人ではなかったものとみなされるので、他の共同相
  続人は限定承認をすることができることになります。
 (2)共同相続人中に相続の放棄をした者があるときには、相続人の
  順序や相続分が変わることがあります。
   例えば、妻と一人息子が相続人であった場合に、一人息子が相
  続の放棄をすると、一人息子は初めから相続人ではなかったもの
  とみなされるので、妻と父母等の直系尊属が相続人となり、妻の相
  続分は2分の1だったものが、3分の2になるのです。
07年12月13日 | Category: General
Posted by: shigyo
07年12月12日

相続の承認

1 相続の承認には、単純承認と限定承認とがあります。
  単純承認は、無限に被相続人の権利義務を承継する承認であり、
 限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人
 の債務と遺贈を弁済すべきことを留保してする承認です。後者は、
 相続財産が債務超過であるか否かが不明の場合に実益があります。
 明らかに債務超過である場合には、相続放棄をすれば足りるのです。
2 次の場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなされます。
 (1)相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただ、保存行為
  や短期賃貸借はこの処分に該当しません。
   そして、判例によれば、相続人が自己のために相続が開始した事実を
  知りながら相続財産を処分したか、または、少なくとも相続人が被相続人
  の死亡した事実を確実に予想しながら敢えてその処分をしたことを要する
  とされています。
 (2)相続人が3箇月の熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったとき。
 (3)相続人が、限定承認又は相続放棄をした後であっても、相続財産の全部
  又は一部を隠匿したり、私にこれを消費したり、あるいは悪意でこれを相続
  財産の目録中に記載しなかったとき。これは、相続財産に対する背信行為
  があったときに、民法上の一種の制裁として、単純承認の効果を負わせたも
  のです。
   ただし、その相続人が相続放棄をしたことによって相続人となった者が相続
  の承認をした後は、背信行為をしても単純承認をしたものとみなされません。
  相続債権者や受遺者などとの関係が複雑化するからです。
3 相続人が数人いるときには、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ
 行うことができます。
07年12月12日 | Category: General
Posted by: shigyo
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