すでに参議院選挙が終わり、その結果も明らかになった。その中で声を大にして言いたいのは、表題の件についてである。といっても、にわかに安倍内閣の憲法無視の閣議決定優先や、戦争のできる国家づくりを支持するというわけではない。まして私が安倍内閣の戦争政策を支持することに転向したわけでは全くない。
 安倍内閣は、参議院選挙をひかえた平成27年11月19日記者会見を開き、消費増税の再延期方針をうちだした。2015年10月1日からの消費増税実施が、景気を低迷させ、国民生活の足を引っ張る最悪の経済政策となっているとして、前回2015年10月に続き再び延期したのである。
私は、この消費増税再延期に賛成する。消費増税が国民生活の足を引っ張る最悪の経済政策となっているという点では 、全く同感である。2012年12月の民主、自民、公明の3党合意による消費税3%引き上げの愚策によって、国民生活は見る影もなく疲弊し、ガタガタになってしまっている。国民がいかにその結果にあえいでいるかは明白である。安倍のやっていることは単なる擬態だが、野田のように消費増税を再度強行するのに遮二無二突っ走るよりは、はるかにましである。
 2012年の消費税値上げの結果、民主党の議席は、党を分裂させるとともに6分の1以下のガタガタになってしまった。そして政権から滑り落ちた。そのことで民主党は、野田代表以下だれか責任を取ったのか。いやだれも責任を取っていない。誰も責任を取らないという日本的悪習で居直るだけである。
 現に当時の代表の野田は、解散を断行することによって居直り、議席を6分の1に落とした後も、民主党の顧問として居座っているではないか。こんなバカなことがあるものではない。今回の選挙では野田は、「共産党と民主党は言っていること、やっていることが180度違う」「小沢も同じだ」と称して、野党統一候補にすることに一貫して反対した。そして野党の代表だった維新の松野と合意して、野党の名前を「民進党」とすることに一本化した。名前をどう変えるかではない。史上最悪の消費増税の責任をだれがどう取るかだ。誰も責任を取っていないではないか。ポーズだけは国民向けのいい顔をした参議院選挙の結果は、開票する前からわかりきっているではないか。国民の支持が雪崩を打って自民党に流れているわけでは決してない。腐りきった野党がダメだから、この結果に甘んじているだけのことだ。一般に地滑り的勝利を得るには改憲・反原発などイデオロギー・政策に関する分野が取れて6割それ以外で数割、国民生活に関する分野もよくて6割取れればと言われている。反原発など特定のイデオロギーに関する分野では、最大限によくても6割の票しか稼げないのである。
 いくら反応が良くても、小林氏の「国民怒りの声」は全国区で7万8千余票しか集められなかった。反応が良くてもそれだけの話である。所詮イデオロギー分野だけでは、生活が懸かっている人間には勝利できない。既に2014年12月に発表した私のブログで、年に1兆円財政再建するには大変な労苦それを500年続けてもよいのですかと問うている。恐らくは500年続けられる人はいない。願わくは、消費増税の再延期ではなく、中止又は取りやめといきたいものである。