こんにちは、行政書士の志摩巧治です。
 ご存知のように行政書士の守備範囲は広く、驚くほどです。正直、名刺をつくるときも「あれも出来る、これも出来る」といろいろな業務を山のように書きこみたくなります。
 一例をあげれば、「在留資格取得・変更・期間更新。永住・帰化・国際結婚・認知。外国会社の営業所設置」など、外国人関係だけでこれだけあります。
 昨年、行政書士登録にあたって特に注意されたことがあります。それは「専門をもて」ということです。
 わたしの前職はデパート勤務です。外商をしていたころの話です。やはり似たようなことを言われました。お客様に「あれも売っている、これも売っているといわないでくれ」と指導されました。デパートというのは小売業の親分のようなものですから、「ないものはない」というくらい品数が多い。こんな商品もある、あんな商品もあると話されてもお客様が混乱するだけです。
 行政書士も似た面があると思います。「なんでも出来る事務所」といいたいですものね。行政書士は見方をかえれば「法律のデパート」ですから、どうしてもそうなるのでしょう。生意気な話ではありますが、こいういいかたもできるでしょう。
 それではどういうやりかたで営業をしたらいいのでしょうか。デパートの外商ですと、とりあえずお客様のところに顔だけだすようつとめます。使う、使わないは「お客様の自由」ですから、なにに使うかはお客様の方で考えればいいわけです。必要なときに思い出してもらえばいいのです。あつかっている業務が多いと、どうしてもこんなやり方になるといいます。「なんでも売っている」わけですからね。それだったらなにもいわず人間関係だけとぎれないようにやり方を工夫するべきでしょう。
 このやり方で行政書士ができるのかはかなり難しいと思います。デパートの場合、なにも言わなくてもデパートがどういう仕事かはお客様のほうに、基本的な認識はあります。