少なくとも何もいわなくても「このひとは何しに来たのか」ということが、お客さまにわからなくてはいけません。どういう仕事だという基本的な仕事のイメージは必要です。
 司法書士なら登記、税理士なら確定申告、弁理士なら訴訟とたいていのひとは考えますよね。残念なことに、この点が私たち行政書士の弱点ではないかと、指摘されるところなのです。行政書士とは、さて「何の仕事をするひとなのでしょうか」。イメージをつくるのはみなさん、ひとり、ひとりの仕事です。
 ずらずらと「あれもできる、これもできる」とパンフに書きこむのもいいでしょう。「特化する」のは意外にむずかしく、困難な道でもあります。それでも「特定の何かをするひと」というイメージをつくれというのが、ベテランの先生のアドバイスです。わたしもお客さまのイメージが散漫になるよりはいいと思います。専門をつくりたいですね。
 それではわたしは何を専門にしたらよいでしょうか。とりあえず今、てがけていることを一生懸命やるしかありません。昨年、親族から「一族の共有の土地の行方不明者を探してほしい」といわれ、昔の資料を調べています。これが思った以上に面白く、勉強になっています。
 行政書士の良い点は、わからないことは仲間同士であれば教えあうということです。法律の世界があまりに広大で、助け合わない限り絶対、やっていけないからですが、同時に資格業の美点ではないかと考えるのは、わたし一人ではない筈です。きびしい競争の世界ではたらくひとは驚くでしょう。競合している者どうしで教えあうなんてことは、ありえませんから。
 わたしも幼稚ではずかしいですが、なにかお役にたつものがあればこの場で情報をだしたいと考えます。もちろん間違いもあるでしょう。その際はご指摘いただければ幸いです。