2008年 9月の記事一覧

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08年09月30日 11時55分00秒
Posted by: ariake
第1回目に不動産の正しい売り方の基本は、

「適正価格」で、「迅速に」売ること…と書きました。


「早く売る」とは、どういう意味か・・・?

通常、不動産を売る時は、不動産会社の広告などを通じて「マーケット」に出すわけですが、

不動産も商品である以上食品などと同じように、「賞味期限」というものがあります。

不動産を売り出すと、折り込みチラシやインターネット、不動産屋の店頭の広告・・・などで、

購入希望者の目にとまるようになります。

購入を検討している方は、これらの情報を毎週定期的にチェックしています。

ということは、長い期間「マーケット」に出されている物件は、

『売れ残り』物件という、評価をされてしまうのです。


「マーケット」で『売れ残り』の烙印を押されてしまうと、ますます商品価値が下がり、

ついには、『値下げ』をせざるを得ないことになります。


ですから、「早く売る」ことは、とても重要なポイントなのです。


なお、「売り急ぐ」ということは、「早く売る」こととは異なる・・・

というより、むしろ反対の意味です。


「早く売る」ためには、どうしたらよいか・・・については次回に。
08年09月29日 10時00分00秒
Posted by: ariake
「自宅は長女Aに、他の財産は長女Aと長男Bと二男Cに均等に相続させる」

という遺言をしたとします。


自宅の相続評価が1億8000万円で他の財産が預金3000万円の場合、

相続額は、A:1億9000万円  BおよびC:各1000万円  となりますが・・・

各人の法定相続分は、(18000+3000)÷3=7000万円とですので、

Aは、法定相続分より1億2000万円多く相続し、

B・Cは、法定相続分より6000万円少なく相続することになります。


上記のような遺言も有効で、相続人間で異存がなく、遺言書通りに遺産分割を

すれば特に問題はありません。


しかし、相続人は、自己の法定相続分の1/2の『遺留分』という権利を有しています。

したがって、B・Cはそれぞれ3500万円まではAに請求できることになります。

これを『遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)』といいます。


B・Cが、この請求をしてきた場合、Aとしては厄介なことになります。

B・Cが、遺留分3500万円と指定相続分1000万円との差額2500万円をAに請求した場

合、Aがその金額を払うことができれば何とかまとまるでしょうが、自宅のほかに資産がない場合、

「自宅を売却してでも支払え」ということにもなりかねません。

しかし、そのような事態は遺言者(被相続人)の本意ではないでしょう。


このようなことにならないよう、遺言書を作成するときは、

まず遺留分を確認して、

「争族」の種を残さないよう気をつけましょう。


つづく
08年09月28日 11時55分00秒
Posted by: ariake
先日ある異業種交流会に参加したときに出た話題のひとつに、

『会社は誰のものか?』というものがありました。


以前は、会社は経営者のもの…という感覚の経営者が多かったと思うのですが、

特に21世紀に入ってからは、「株主のもの」ということが喧伝されてきたように思います。

いずれの上場企業も相次いで「株主重視」の施策を打ち出し、コンプライアンス確保のため

人とお金をかけるようになりました。

会社法上、株式会社の所有者は「株主」です。したがって、株主の利益に合致する経営が

取締役に求められるのは当然です。

しかし、昨今の「株主重視」はやや行き過ぎの感もあったように思います。

ライブドアや村上ファンドの事件の背景には、「株主は所有者だから何をやってもいいんだ

という意識があり、またマスメディアもそういう風潮を助長していた時期があったように思い

ます。


そして、この行き過ぎた株主重視がもたらしたもののひとつに、「働く者の軽視」があると思

います。

会社における序列が、株主→取締役→顧客→取引先…→社員・・・という構図になって、

社員・従業員は単なるパーツ扱いという感覚が生まれてきたように感じます。そして派遣社

員制度がそれをさらに推し進めてきたのではないでしょうか。


つづく
08年09月27日 09時18分00秒
Posted by: ariake
前に、不動産会社選定の基準についてお話しましたが、不動産を売る時に最も重要なこ

とは、『良い営業マン』にめぐり合うことです。

これまでお話したことは、自分で調査することのできる方にとっては有意義だと思うので

すが、一般の方にとってはなかなか難しいことばかりだと思います。

そこで、最終的には営業マンに「おまかせ」することが、売主にとって最も負担がかから

ない売却方法ということになります。


では、どんな営業マンを選べばよいのか?

一言でいえば、『誠実な』営業マンです。

そんなこと当たり前! と思われるでしょうが、営業マンは常に売上を上げるために「契約」を

取る…というプレッシャーにさらされているので、ついつい調子のよいことを言ってしまい

がち。しかも、本人は「ウソ」という認識がなく、間違った情報を顧客に与えていることもあ

るのです。

分からない質問をされたり、確認してないことを聞かれたりしたときに「それについては、

もう一度調べた上でご回答します。」
と言えるかどうか…。ここがポイントです。


上司から「早くハンコもらって来い!」と怒鳴られても、きちんと誠実に対応できる営業マ

ンに出会えたら、まず間違いないでしょう。


つづく
08年09月26日 09時37分00秒
Posted by: ariake
よく、あそこの土地は坪70万で売れたとか、坪100万だったという話を耳にします。

そして、それを根拠にその数字が「この辺の相場だ」と言われることがあります。


確かに「平均的な価格」としての相場価格というものはあります。しかし、だからといっ

て自分の土地がその相場価格で売れるというものではありません。

「隣の土地が坪100万円で売れたから、うちの土地も100万円で売れる」とは限りま

せん。なぜかといえば、不動産はひとつとして同じものはないからです。


例えば、Aという土地は間口が広い整形地で東南角の40坪の土地。

隣のBという土地は、旗竿状の敷地で、車庫入れが難しい60坪の土地。

Aが4000万円@100で売れたとしても、Bを6000万円@100で買う人はまずい

ないでしょう。BはAの価格の7割前後に評価されるかもしれません。

Bのような土地のことを「路地状敷地」といい、また業界では「専通」(専用通路の略)な

どと言って、一般的には低い評価がされるのです。


土地の価格評価に際しては、この他「道路と敷地の高低差」「日当たり」「前面道路の

幅員、公道か私道か」などが重要な判断材料になります。

このように不動産はひとつひとつ個性のある「特定物」であるため、専門家による現物

の「査定」が重要
になってくるのです。

つづく
08年09月25日 10時42分00秒
Posted by: ariake
遺言書を書かれる方が年々増えています。

書店へ行くと「やさしい遺言の書き方」とか「エンディングノート」というタイトルの本がた

くさん並んでいます。

家族への感謝のメッセージを残したり、相続争いを防ぐ手当をするために遺言を書か

れることはとても良いことだと思います。


一方、全国の認知症患者数は約200万人という推計もあるように、長生きされる方が

増えるのに伴い、認知症になるリスクも増加しています。


遺言は、自分の死後の手当ですが、自分が亡くなる前の手当をされている方はまだま

だ少ないようです。

一人暮らしの場合はもちろん、配偶者との二人暮らしの方も、ご自分が認知症になった

時の備えはできているでしょうか?

そこで、遺言書を作ったら、次は自分の判断能力が落ちてきた時のために、任意後見

契約(公正証書で任意後見人という代理人を選任する契約)をされることを検討される

方も増えています。

法定後見制度は、判断能力が落ちた時に申し立てられるものですから、自分の意思で

後見の内容を決められるものではありません。

しかし、任意後見は判断能力の正常なうちに自分の意思で後見の内容を決定し委任

するので、認知症になった後の生活・処遇に自分の意思が反映できる点が優れていま

す。

死後の家族のケアは遺言で…、

自分の最期のケアは任意後見で…。



任意後見契約についての詳細は、またの機会に…。



つづく
08年09月24日 20時19分55秒
Posted by: ariake
前回、不動産を売る時の「適正な価格」とは、実勢価格を基準にするという話をしました

が、では実勢価格はどうやって調べればよいのでしょう?


これは、地元にある不動産会社に聞く…しかありません。

当り前のことですが、不動産は場所によって価格が異なるので地元の情報が重要で

す。そして、実勢価格とは「実際に取引されている価格」ですから、実際の取引の情報

を多く持っている地元にある不動産会社に聞くのが最も有効なのです。

不動産価格評価のプロである不動産鑑定士さんでさえ、実勢価格を調査する時は地元

の不動産会社にヒアリングするのですから・・・。


しかし、地元にある不動産会社といっても、個人経営の不動産屋から財閥系の大手不

動産販売会社まで様々で、どんな基準で選んだらよいか分らない方が多いでしょう。

不動産会社選定の基準は、①取引件数が多い②悪い評判を聞かない③営業がしつこ

くない・・・というものでよいでしょう。新聞の折り込みチラシの量などである程度取引件

数が多いか少ないかは想像がつきます。

そして、最大のポイントは「最低3社以上は物件査定を依頼すること」です。

複数の査定額を比較することによって、より客観的な価格を知ることができるからです。

つづく
08年09月24日 18時38分29秒
Posted by: ariake
高齢になり、老人ホームの入居資金を作るために自宅を売却される方が増えています。また、相続で取得した家に誰も住まなくなったので売却したいという方も多くいらっしゃいます。

そんな時、みなさんはどうやってその家を売られるのでしょうか?
そこでこれから何回かにわたり、不動産の正しい!?売り方…についてお話しましょう。


【基礎編】

不動産売却に際しての基本は、

1.「適正な価格」で、

2.「迅速に売る」   ・・・というものです。


1.「適正な価格」とは

不動産の「価格」には、いくつかの種類があります。

路線価、公示価格、基準価格などという言葉を聞かれたことがあると思います。
これらは、税金の計算など、一定の目的のために決められた価格です。

では、我々が不動産を売却する時の「適正な価格」とはどんなものでしょうか?

それは、「実勢価格」つまり市場で実際に取引されている価格です。

よく、あそこの家はいくらで売れた…とか、あの土地は坪いくらだったとか…

という話を聞かれると思いますが、それが実勢価格です。


つづく
08年09月08日 19時54分29秒
Posted by: ariake
9月3日付の朝日新聞に


「認知症患者、9年間で43,000人から83,000人に倍増!」
という記事が出ていました。

’96年~’05年の9年間のデータらしいので、現在ではもっと
増加のスピードが速くなっていると思われます。

また、上記の数字は認知症の「入院患者数」であり、在宅の方たち
を入れると、認知症高齢者は全国で200万人近くいる、という推計
もあります。

「認知症」とは、アルツハイマー病や脳梗塞などに起因する血管性
認知症などの総称ですが、あえて定義するとすれば、

「脳の後天的器質障害により、知能・記憶・見当識等の障害や人格
障害を伴った症候群」
ということができるでしょう。

その中で、現在もっとも多いと言われているのが、「アルツハイマー
型認知症」です。

病気の詳細な解説は、専門医の仕事ですので、ここでは、現在
有効だと考えられている誰でもできる「予防法」を簡単にご紹介
することにします。

1.気を若く、いろいろなことに関心を持つ(常に頭に新鮮な刺激を与える)

2.いつも細やかな気配りをする(他人との良好なコミュニケーションを保つ)

3.できるだけ趣味をもつ(生活に張りを持ち、手先をよく動かす)

4.よく運動する(よく歩く、こまめに体を動かす)

5.塩分を摂りすぎない(高血圧への注意)

6.動物性脂肪を摂りすぎない(高脂血症への注意)

7.血圧のコントロールに気をつける(脳卒中への注意)

8.深酒をしない、タバコは吸わない(規則正しい生活をする)

9.定期健診を受ける(病気の早期発見、早期治療をめざす)

10.筆まめに(日記や手紙を書く)


(以上、植木彰著「アルツハイマー病がわかる本」より引用)


上記の10項目を「ボケないための10カ条」というそうですが、

かなりの部分が生活習慣病の予防対策と重なります。

認知症は、脳の病気なので、食生活が相当影響していると

専門医の間では認識されているようです。


ちなみに…私は、8番目を何とかしなければ…(><)
08年09月01日 21時02分30秒
Posted by: ariake
「リバースモーゲージ」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?

Reverseは、逆の、反対の・・・という意味、
mortgageは、抵当、担保・・・という意味です。

直訳すると「逆抵当」という意味になりますが、
現在日本で「リバースモーゲージ」というと、
行政や金融機関が行う融資制度のひとつとして
理解されています。

厳密にいうと、いろんなタイプのリバースモーゲージ
があるのですが、代表的なのは「住宅担保年金」
と呼ばれるタイプでしょう。

これは、文字通り・・・自己所有の住宅を担保にして
年金を受け取る制度です。

資産としては住宅だけで、年金額があまり多くない
という高齢者にとって、シニアライフを充実させる
一つの手段として、近時注目を集めています。

これから、数回に分けてこの「リバースモーゲージ」
について解説していこうと思います。
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